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山下太郎

カエサルガリア戦記』の新訳が岩波書店から(高橋宏幸訳)。読みやすく信頼できる訳文。注も充実。

カエサル戦記集  ガリア戦記|岩波書店

■体裁=四六判・上製・カバー・394頁
■定価(本体 3,000円 + 税)

その簡潔で真に迫る記述キケローから高く評価され,モンテーニュやナポレオンも愛読した.

365夜『ガリア戦記』ユリウス・カエサル|松岡正剛の千夜千冊

その理由はいまでは確定すべくもないが、おそらくはキケロ「裸体であり純粋である」と褒めた文体にあったとおもう。

 それを小林が「近頃、珍しく理想的な文学鑑賞」とみなしたことは、40歳になっていた小林がそれまで読まされてきた凡百の文学主張にあきあきしていたときの感想だろうとおもっていたが、さきほど久々にページを繰ってみたところ、それほど大袈裟な感想でもないと感じた。和訳ではあるものの、やはり文体にキレがある。
 これはカエサルが偶然に書いたものではない。それは、カエサル自身がこんなふうに言っているところを知って判然とした。「文章は、用いる言葉の選択で決まる。日常使われない言葉や仲間うちでしか通用しない表現は、船が暗礁を避けるのと同じで、避けなければならない」。