旧日本海軍の戦艦「武蔵」は、太平洋戦争末期の昭和19年10月、レイテ島に上陸を始めたアメリカ軍に反撃するためレイテ湾に向かう途中、アメリカ軍による魚雷などの攻撃を受け撃沈されましたが、その後、船体は見つからず、どこで沈没したかは謎のままになっていました。
ところが、アメリカのIT企業マイクロソフトの共同創業者で資産家のポール・アレン氏が、「シブヤン海で、『武蔵』の船体を発見した」として2枚の写真を投稿したのに続いて、4日、新たに自身のホームページに「旧日本海軍の『武蔵』」とタイトルをつけた1分余りの動画を新たに公開しました。
今月2日に発見した「武蔵」の船体の一部とされる映像には、海底に沈む「開」などの漢字が書かれたバルブや巨大ないかりが鮮明に映っています。いずれも、さびや海藻が付着していて年月の長さを感じさせます。さらに、艦首の一部が映し出され、かつてこの部分に菊の紋章がついていたとみられるとの説明がつけられています。
ホームページによりますと、アレン氏は、父親が太平洋戦争に従軍したことから歴史的な軍事技術を保存することに情熱を感じていて、8年前から戦艦「武蔵」の捜索を続けてきたということで、一連の映像の公開などで今後、日本の専門家などによる確認作業が進むことが期待されています。