2015-03-07 論語の素読 | 山の学校 weblog
君子は言に訥にして行ないに敏ならんと欲す
これは生徒たちにとってはわかりやすい言葉で、親しみを感じてくれた様子です。
この日は6年生にとって最後の素読の時間でした。一人一人に自分が大事に思う言葉をインタビューしました。
私が好きな言葉に忠恕ということがありますが,これは自分に誠実で,そして人の心を思いはかるという意味のことです。これは論語にある言葉であり,また,私が小さい頃,当時の穂積東宮大夫は,新訳孟子をちょうど在職中に書いていましたけれども,その新訳孟子も後に興味深く読みました。
3/3 悠仁さまご誕生!皇室男子の教育の変遷 [早期教育・幼児教育] All About
天皇陛下の好きなお言葉に「忠恕(ちゅうじょ)」があります。これは論語の一説に、「夫子の道(孔子の教え)は忠恕のみ」とあり、自己の良心に忠実で人の心を自分のことのように思いやる精神です。
天皇陛下御即位二十年を寿ぎて 明石元紹さんに聞く « 日本会議
小泉先生の遺稿を読み返してみると、その薫陶の一つひとつを、陛下はよく実践しておいでだったということに改めて思い当たります。
例えば、「忠恕」という言葉です。「忠」は誠実であること、嘘をつかないこと。「恕」は人に優しく接すること、人の気持ちを汲み取ることです。
私は大学は慶応義塾大学に進み、小泉先生には大変お世話になりました。そして陛下は、ご会見でお好きな言葉として「忠恕」を挙げられたことがございました。
2010年2月24日 皇太子殿下の「知命」記念会見での「忠恕(ちゅうじょ)」について
皇太子殿下は自身の50歳の誕生日会見において、孔子の論語で「知命:天命を知る」とされる年齢に達する心境を問われると
天皇陛下が50歳の誕生日の記者会見で引用された「夫子(ふうし)の道は忠恕のみ」との言葉を紹介されました。
忠恕とは、自分自身の誠実さと、そこから来る他人への思い遣りだとし、
「他人への思い遣りの心を持ちながら、世の中のため、或いは他人のために私として出来る事をやっていきたい」と述べられています。
asahi.com(朝日新聞社):皇太子さま誕生日会見・全文 - 朝日新聞プラス
(問1)50歳といえば、論語で「天命を知る」とされる年齢です。今の率直なお気持ち、公私両面での抱負をお聞かせください。昨年、天皇陛下が、中国国家副主席とご引見された際、天皇が行う国際親善、公務の在り方が議論となりました。皇室のご活動については、憲法で定める「国事行為」以外に明確には規定されておりません。「象徴天皇」の在り方を含めたご公務に対する考え方や、殿下が度々、語られてきた「時代に即した新しい公務」の現状と今後の取り組みについてお聞かせください。
《皇太子さま》自分としては、もう50になったのかという感じがする一方で、まだまだ研鑽(けんさん)を積まないといけないという、これからだという思いがいたしております。
ご質問の冒頭にあった「天命を知る」という孔子の言葉は、自分がこの世に生まれた使命を知るという意味ですが、単に知るだけではなく、この世のために生かす、つまり、人のために尽くすという意味を含んでいるように思います。孔子の言葉といいますと、確か天皇陛下が50歳になられた時の会見で、「夫子の道は忠恕(ちゅうじょ)のみ」との孔子の言葉で質問に答えていらっしゃいます。「忠恕」とは、自分自身の誠実さとそこから来る他人への思いやりのことであり、この精神は一人一人はもとより、日本国にとっても「忠恕」の生き方が非常に大切なのではないかとおっしゃっておられます。「忠恕」と「天命を知る」という教えに基づいて、他人への思いやりの心を持ちながら、世の中のため、あるいは人のために私としてできることをやっていきたいと改めて思っております。
また、教えと言えば、大学卒業の会見の折にお話ししていることですが、歴代天皇のご事蹟を学ぶ中で、第95代の花園天皇が、当時の皇太子、後の光厳天皇にあてて書き残した書に、まず徳を積むことの重要性を説き、そのためには学問をしなければいけないと説いておられることに感銘を受けたことを思い出します。そして、花園天皇の言われる「学問」とは、単に博学になるということだけではなくて、人間として学ぶべき道義や礼儀をも含めての意味で使われた言葉です。私も、50歳になって改めて学ぶことの大切さを認識しています。
50年というと、すなわち半世紀ですので、その年月には重みがあります。日本はこの50年の間に、著しい経済発展と社会の大きな変革を経て大きく変わりました。現在、冬季オリンピック大会がカナダのバンクーバーで行われておりますけれども、私の最初のオリンピックの記憶は昭和39年(1964年)の東京オリンピックにさかのぼります。そして、その後の万国博覧会などを通じて、小さいころより戦後の日本の発展、世界の中の日本を体験してきました。同時に、両陛下から、私が生まれる以前の時代のことなどについても折々にお話を伺うことができたことはとてもありがたいことでした。そして、私自身も公私両面で、大きな変化を経験してきました。公の面では、両陛下のお導きにより皇太子に至る道を歩んでまいりました。私の面では、両陛下の温かい愛情の下で育ち、外国留学を含めて様々な経験をさせていただき、雅子との結婚、愛子の誕生により心温まる安らぎのある家庭を持つに至っております。「天命を知る」年齢に達するに当たって、両陛下を始めこれまでお世話になりました多くの方々へのご恩を忘れず、更なる自己研鑽に努める気持ちを新たにしております。それとともに、ご高齢になられた両陛下をお助けしていくことの大切さにも思いを強く致しております。
「象徴天皇」の在り方を含めた公務に対する考え方についてのご質問ですが、私は、これらの点については、陛下が繰り返しお述べになってこられたところ、すなわち、過去の天皇が歩んでこられた道と、そしてまた、天皇は日本国、そして国民統合の象徴であるとの日本国憲法の規定に思いを致して、国民と苦楽を共にしながら、国民の幸せを願い、象徴とはどうあるべきか、その望ましい在り方を求め続けるということが大切なのだと思います。「時代に即した新しい公務」については、この50年の間に日本社会が大きく変化しましたが、この変化は将来も続くものであり、変化に応じて公務に対する社会の要請も変わってくることになると思います。そして、社会の新しい要請にこたえていくことは大切なことであると考えております。かつて、私は今後の関心ある分野として水の問題や環境問題、子どもと高齢者に関する事柄などを述べたことがありますが、これらの分野に限らず、新たな公務に対する社会の要請は出てくると思いますので、これらの公務に真摯(しんし)に取り組んでまいりたいと思っております。
(問2)天皇陛下は、ご即位20年に際しての記者会見で、将来の皇室の在り方について、皇太子さまと秋篠宮さまの考えが尊重されることが重要と述べられました。秋篠宮さまも、誕生日の記者会見で、将来、その当事者となる皇太子さまと秋篠宮さまの意見を聞く過程が必要と語り、皇太子さまと話し合う機会を作りたいとの考えを示されました。その後、そうした機会はありましたでしょうか。今後、皇族方の数が少なくなるなどの現状も踏まえ、将来の皇室の在り方について殿下のお考えをお聞かせください。
《皇太子さま》天皇陛下のおっしゃっておられることを真剣に受け止めております。秋篠宮とは様々な事柄について話し合う機会がありますし、今後ともそのような機会を持つことになると思います。
将来の皇室の在り方についての私の考えは、前の質問とも関係しますが、その時代時代で新しい風が吹くように、皇室の在り方もその時代時代によって変わってきていると思います。過去から様々なことを学びながら、将来の皇室の在り方を追い求めていきたいと考えています。
なお、ご質問のような、皇室の制度面の事柄については、私が言及することは控えたいと思います。