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作家・夢枕獏氏 「ペンと手と脳が響きあうから作品書ける」 | ガジェット通信

 夢枕氏のいう「ペン」とは万年筆のこと。現在も手書きで執筆する氏は、愛用の万年筆についてもこだわりがある。


「ここ30年ほどはセーラーの『プロフィット21K』を使っています。20代の頃、初めて買ったのはシェーファーでしたね。高価なモンブランの書き味は最高ですが、2本もなくしてしまって。セーラーも5本以上なくしていますが、モンブランほど腹が立たないんです(笑い)。原稿用紙も、セーラーのペンを滑らせたときにベストな相性のものを選んでいます」


 筆圧が強いため、シャープペンシルでは芯が折れてしまう。鉛筆ではFAXで原稿を送信したときに読みにくい。ボールペンでは字に抑揚がつかず、時にダマが手で擦れて原稿用紙を汚す。その点、万年筆であれば力加減で太さを調整できる。20年前、インクの色をブルーブラックから濃いめの黒に変えた。


「自分の心情と、書かれた文字の視覚的イメージがピタッと重なると、原稿がはかどっていると感じます。執筆の流れに、その連携はとても重要なんです。ペン先で紙をこする感覚が、脳に色々な信号を送って次の表現を考えている。このペンと手と脳が響き合うから、僕は作品を書き続けていられるんです」


 夢枕氏は、創作と文具の関係は確実にある──と結んだ。