https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

アングル:EU内で低下する英国の影響力、不透明な先行き反映 | Reuters

キャメロン英首相は5月に再選された場合、欧州連合(EU)との関係を見直す再交渉を行った上で2017年にEU残留の是非を問う国民投票を実施するとしているが、国民投票の有無にかかわらず、すでに英国のEU内での影響力は低下しつつある。


EU加盟国は英国の残留を望んでいるものの、是が非でも、という訳ではない。ベルギー、ドイツ、フランスなどは、キャメロン首相が再選された場合にEUとの再交渉で何を目指しているのか明確でない、と不満を募らせている。

メルケル独首相に近いある関係筋は「真のリスクは、加盟国がとても応じられないような要求を突き付けてくることだ」と指摘した。


メルケル首相はフランスとバランスを取るために英国をEUにとどめるたいと思っていて、そのためにあらゆる措置を講じる、とのキャメロン首相陣営の考えは間違っているかもしれない。

こうした前提の下、キャメロン首相は2度にわたり孤立している。2011年にEU財政協定に拒否権を行使した際と、昨年ユンケル氏の欧州委員長への選出を反対した時だ。


英国が長年友好な関係を築いてきたポーランドなど東欧諸国も、キャメロン首相の反移民発言を受けて距離を置いており、その他の加盟国も、EUに残留するかどうか分からない国と域内の交渉で協力することに後ろ向きだ。


キャメロン首相自身、党内のEU懐疑派やEU離脱を主要政策に掲げる英国独立党(UKIP)からの圧力に押され、EUとの再交渉で何を求めるのか意図的にあいまいな表現を用いている。


先週のテレビインタビューでも、キャメロン首相は「現時点でのEUとの問題は、良い面もあるが英国民が怒りを覚えるような点が多すぎることだ。EUは『機関』というよりも『国家』になろうとしており、多くの権限を持とうとしている」と述べている。

英国のマクシェーン元欧州担当相は、キャメロン首相が党の結束を維持するため、EUとの関係見直し交渉で、合意不可能な交渉目標の設定を余儀なくされる可能性があると指摘する。


また、国民投票は、反EU的な傾向が強いメディアにあおられ、国民にとって政権への怒りを表現する機会になる、という。


ブリュッセルに本拠を置くシンクタンク、欧州政策研究センター(CEPS)が今月公表した「欧州での英国の将来」に関するリポートは、EUに残留し、改革プロセスを推進しつつ、「オプトアウト(選択的離脱条項)」を保持することが英国の最善の利益になるとの結論に達した。


国民投票で、こうした現実主義的な結論が独立性を求める政治的な感情に打ち勝つかどうかはかなり不透明感が強い。