言葉の怖さについて - 村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト
> 誰しもが表と裏の顔を持っていて、コントロールしながら生きているのでしょう。
> けれど、その結果、皆誰かを傷つけたり、自分自身が苦しんだり。
> 何のために人って生きてるのかなあ、と考えるようになり、自分が「人間」である
> ことがすごくイヤになり、そして周りにいる「人間」と接することもイヤになりま
> した。
>
> 子供の頃は夢を持つことが大事だと言われて、自分らしさを尊重して、夢に向かっ
> て努力することが大事だと思っていたのに、大人になったとたんに夢よりも安定し
> た生活を送ること、周りに迷惑をかけないように、あまり目立ちすぎないことが大
>事だと言われるようになり、ますます人間って何なのかわからなくなりました。
僕はこうして文章を書いて35年も生活していますが、身にしみて学んだのは「言葉って本当に怖い」ということです。ペンは剣よりも強いとよく言いますが、言葉は実際にナイフのように人を切り裂きます。だから僕は慎重に慎重をかさねて文章を書いています。こういうやりとりも、いい加減にほいほい書いているように見えるかもしれませんが、これでずいぶん神経をつかって書いているし、何日か寝かせて、用心に用心を重ねています。僕はなんといっても言葉のプロですから、失敗は許されません。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150409#1428576397
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150406#1428316874