米州会議:米キューバ首脳が握手…断絶後初の会談へ - 毎日新聞
オバマ米大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長は10日夜、中米パナマの首都パナマ市で第7回米州首脳会議の開幕式典に出席した。両国のトップが会議に同席するのは初めて。昨年12月に打ち出した国交正常化の一環で、米ホワイトハウスは両氏が会場で握手を交わしたと明らかにした。また、ローズ米大統領副補佐官は同日、両首脳が11日に非公式会談すると明らかにした。1961年の断交後、半世紀を超える断絶を経た米国とキューバが、徐々に接近している。
これまで電話協議したことはあるが、直接会談は初めてとなる。ローズ副補佐官によると2人は8日、電話で国交正常化や協力分野、対立分野について話し合った。
首脳会談に先立ち、ケリー米国務長官とロドリゲス・キューバ外相が9日に行った会談についてローズ氏は、国交正常化に伴う両国大使館の再開が主要な議題になったと説明した。キューバ側によると、この会談は2時間以上続いた。キューバが求める米国によるテロ支援国家指定の解除については「大統領が最終決断するとの手続きはキューバ側も理解している」と述べ、大きな議論にはならなかった模様だ。オバマ氏の指示による指定の見直しは国務省がすでに完了し、ホワイトハウス側が精査中だ。
オバマ大統領は10日、パナマ市で中米諸国首脳と会談。中南米諸国の企業リーダーとも会談し、職業訓練やインフラ投資の重要性を強調した。キューバやベネズエラなど反米左翼諸国の代表を含む市民団体の関係者との会合では、人道・民主化の支援を米国として継続する意向を表明した。
米州首脳会議は米国やカナダ、中南米35カ国が参加。開幕式典では冒頭、バチカン(ローマ法王庁)のフランシスコ法王の祝辞を同庁のパロリン国務長官(首相)が代読した。バチカンは米国とキューバを仲介した功労者。
米州首脳会議は北米や中南米など35カ国の首脳が一同に集まり、地域の共通の課題などについて意見を交わす会議です。
中米のパナマで開かれる今回の会議は2日間の日程で行われ、初日となる10日の夜、開会式が行われました。キューバはこれまでアメリカの意向によりこの会議には参加できませんでしたが、オバマ政権が対キューバ政策を見直したのに伴い、ラウル・カストロ国家評議会議長が初めて参加しました。
開会式では、カストロ議長とオバマ大統領が顔をあわせ、握手する場面も見られました。両国の間で国交正常化に向けた交渉が1月に始まって以来2人が会うのは初めてで、雪どけムードを演出した形となりました。
2人は11日に、1961年の国交の断絶以降両国の首脳による協議を行い、意見を交わす見通しで、国交正常化に向けて大きな進展が見られるのかどうかが注目されています。