世界の軍事情勢を分析するスウェーデンの「ストックホルム国際平和研究所」が13日、発表した報告書によりますと、去年の世界各国の軍事費の合計は、1兆7760億ドル、日本円でおよそ213兆円と、前の年と比べると0.4%減り、3年連続で減少しました。
これは、軍事費の最も多いアメリカが、6100億ドルと前の年に比べて6.5%削減したことなどの影響です。
一方、国別の軍事費を見ますと、2番目に多い中国が、前の年から9.7%増加させ、推計で2160億ドルとなったほか、3位のロシアも8.1%増加し、さらに4位のサウジアラビアも周辺地域で紛争が相次ぐなか、17%増加させたとしています。また9番目に多いとされた日本は、ドルに換算すると前の年と比べてほぼ横ばいですが、アジア・オセアニア地域では、中国のほかにもオーストラリアが6.7%、南シナ海の領有権などを巡り中国と対立するベトナムも推計で9.6%増加させており、地域全体の軍事費は5%増えたとしています。
報告書は、「アジア・オセアニア地域の軍事支出は引き続き増加傾向にある」と指摘し、中国の軍事費の増加が周辺国にも影響を与えていると分析しています。