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コラム:日本株上昇は夏までか、秋の波乱に要注意=山口曜一郎氏 | Reuters

それに、何と言っても日本では、日銀による異次元緩和と、公的・準公的マネーによるポートフォリオ・リバランスの動きが、株式市場の大きなサポートとなる。これまでも、日本株の投資家は必ずしも日本の経済成長とにらめっこしながら株を買ってきたわけではなく、どちらかと言えば日本の金融政策や公的マネーの動きとにらめっこしながら株を買ってきた。景気回復期待という後押しを得て、日本およびユーロ圏の大規模緩和が株価押し上げに効く展開はもうしばらく続きそうだ。


企業業績見通しに基づくバリュエーション分析や、チャートに基づくテクニカル分析からは、日経平均で2万2000円は射程圏内にある。この水準を達成できるとしたら秋以降よりも夏までの方が可能性が高いと見る。年終盤にはリスクが高まってくるからだ。原油価格が現行水準にとどまれば、原油価格のマイナスのベース効果剥落もあって、日本、ユーロ圏ともに、秋にはインフレが下げ止まりから上昇に転じる見込みだ。


年前半に株式を含めたリスク資産の一段の上昇が進む一方で、秋から冬にかけて米国の利上げと日欧のインフレ反転のタイミングが重なり、金融政策の出口戦略に対する思惑が高まるようだと、株価の動きは不安定になりボラティリティが高まる。


また、ユーロ圏において、国債需給の過度な引き締まりや、マイナス金利の蔓延による金融機能不全といった国債買い取りに関する問題が浮上してくるとしたら、やはりこの時期あたりではないかと思われる。


米国が、株価維持のために利上げに慎重になる、あるいは非常に緩やかなペースにとどめる、という選択肢を選べば、リスク資産は一段高となる可能性があるが、その場合は逆にバブルのリスクが高まるため、米連邦準備理事会(FRB)がどこまで株式市場に配慮するかは読みにくい。よって、株式投資は夏までがいったんの勝負と見る。