大阪にある“ベルリンの壁”は目には見えない。しかし、市営地下鉄の御堂筋線の名前が無意味に北大阪急行に変わる江坂駅(大阪市と隣接する吹田市の“国境”がある)あたりに、壊さなければならない壁が確実に存在する。
このように、大阪は、統一前の分断国家、ドイツそっくりなのである。
千里ニュータウンと日本万国博覧会(大阪万博)の会場アクセスのために阪急電鉄と大阪府などが出資して設立された第三セクター会社であるが、阪急阪神ホールディングスの100%子会社である阪急電鉄が株式の過半数を保有しており、阪急阪神東宝グループの一社ともなっている。
利用客も多く黒字経営で準大手私鉄に分類されているが、距離的に短いことや御堂筋線との相互直通運転を行っていることから、大阪市営地下鉄御堂筋線の一部という認識が多い。しかし、沿線では初乗り運賃が安い一方、地下鉄への乗り継ぎ運賃が割高感があることなどにより、地下鉄と別であることは広く知られている。