ことし3月に行われたイスラエルの総選挙では、ネタニヤフ首相が率いる右派政党のリクードが、改選前を上回る議席を獲得して第一党となりましたが、議会の過半数には達せず、他の党との連立交渉を進めていました。
その結果、ネタニヤフ首相は交渉の期限に当たる6日深夜までに、中道右派の新党「クラヌ」と、2つのユダヤ教の宗教政党、そして極右政党「ユダヤの家」と閣僚ポストの割り振りや政策面で合意に達しました。ただ連立交渉は難航し、当初、政権入りを表明していた政党の協力を失ったことから、新たな政権は半数を僅か1議席上回る61議席の勢力しか確保できませんでした。
右派政党と宗教政党からなる、ネタニヤフ首相の4期目となる政権は近く発足しますが、パレスチナ暫定自治政府との和平交渉に積極的な政党は参加しておらず、交渉の再開は見通せないほか、安全保障上、最大の脅威と位置づけるイランに対して、今後一層強硬な対応を取ることも予想されます。