２０１１年の民主化運動で辞任に追い込まれたムバラク元大統領は、在任中の大統領宮殿の改築工事を巡り、日本円でおよそ２０億円の公金を横領した罪に問われ、去年、１審で禁錮３年の判決が言い渡されましたが、上級審によって破棄され審理のやり直しが命じられました。
このやり直しの裁判で９日、カイロの裁判所は、ムバラク元大統領に対し改めて禁錮３年の実刑判決を言い渡しました。
ただ、ムバラク元大統領は、４年前に失脚してからカイロ市内の刑務所や軍の病院で軟禁状態に置かれていて、エジプトの国営テレビなどは、「軟禁の期間が刑期に含まれると判断された場合、服役しない可能性がある」と伝えています。
ムバラク元大統領は、民主化運動の際にデモ参加者の殺害を指示した罪にも問われ、去年１１月、事実上の無罪判決が言い渡されましたが、検察側が上訴し、来月、裁判所の判断が示されることになっています。
民主化運動を主導した若者グループなどは、３０年に渡って独裁的な支配を続けた元大統領に対し、司法が厳正な判断を示すよう求めていて、裁判の行方に注目が集まっています。
