海賊対策のため、アフリカのソマリア沖に派遣されていた海上自衛隊のP3C哨戒機2機は13日、日本に戻る途中にベトナム中部のダナンに立ち寄りました。自衛隊の隊員たちは、出迎えたベトナム海軍の幹部らを機内に案内し、装備品や機体の構造について説明を行いました。
自衛隊のP3C哨戒機がベトナムに立ち寄るのは、去年に続いて2回目ということです。海上自衛隊第5航空群の菊地秀雄1等海佐は、「今後も認識を共有するベトナムとの信頼醸成を図りたい」と述べ、ベトナムとの関係の強化を強調しました。
ベトナムは、南シナ海の島々の領有権を巡って、海洋進出の動きを加速させる中国との間で対立が続いています。海上の監視活動を行う自衛隊の哨戒機が南シナ海上空を飛行することで、中国への懸念を強めるベトナムや自衛隊に南シナ海での活動を期待するアメリカに対して、存在感を示すねらいもあるものとみられます。