自民党の高村副総裁は、プーチン大統領の側近で、日本を訪問中のナルイシキン下院議長と20日、都内で会談し、北方領土問題に関連して「問題を解決して平和条約を締結する。そのためにもプーチン大統領に日本に来てもらいたいと安倍総理大臣は真剣に考えている」と伝えました。
これについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、地元メディアに対し、「平和条約の締結を含む両国の対話の再開に向けたさまざまな政党の建設的なアプローチを歓迎する」と述べました。そのうえで、「ロシアは対話の継続を支持する。日本がイニシアチブを改めて発揮し、正式に大統領を招待するのであれば、訪問を検討する」と述べ、プーチン大統領の日本訪問に前向きな姿勢を示しました。
ただ、ラブロフ外相は、これに先立って行われた地元新聞とのインタビューの中で「北方領土は第2次世界大戦の結果、ロシアの領土になった」という従来の主張を繰り返し、日本を強くけん制しています。
このため、ロシアとしては北方領土問題について対話を継続する姿勢は示しつつも、日本側にどこまで歩み寄る用意があるのか出方を見極めていくものとみられます。