公開されているのは、この春、国の検定に合格した中学校の新しい教科書１０４点と、検定意見の資料などです。会場となった東京・江東区の「教科書研究センター」には、教育関係者などが訪れ、教科書を手に取って読んだりコピーを取ったりしていました。
来年の春から使われる教科書は、新たな検定基準が初めて適用され、「政府の統一的な見解に基づいた記述がされていない」などとして一部の教科書の記述が修正されたほか、学習指導要領の解説書の改訂などに伴い、領土に関する記述が２倍以上に増えています。また、社会科の「歴史」の教科書２点がいったん不合格になったあと修正を経て合格しました。
会場を訪れていた元中学校教員の男性は「教科書は子どもたちにとってとても大事なものなので、勉強しようと思ってきました。それぞれ読み比べてみたい」と話していました。
このほか、文部科学省はことしから、教科書会社が教科書の内容や特色を記した「編修趣意書」という文書や、すべての検定意見をインターネットで公開しています。
教科書の公開は、７月まで全国７か所の会場で順次行われ、８月末までに各地の教育委員会が使用する教科書を決める「採択」を行います。
