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鉱工業生産4─6月は減産見通し、自動車・鉄鋼など在庫調整 | Reuters

経済産業省が29日発表した4月鉱工業生産指数速報は前月比1.0%上昇と3カ月ぶりの上昇となったものの、この先は回復が持続する見通しとはならなかった。影響の大きい自動車の在庫積み上がりから生産が抑制され、4─6月の生産見通しは減産となりそうだ。


4月の生産はいったん上昇したとはいえ、当初の生産計画2.1%の上昇からは大きく下振れ、5月の予測指数は4月が低下した分見かけ上がるが、前月比0.5%上昇、6月は再び同0.5%の減産計画となってい。この結果、4─6月の生産は前期比0.4%減程度となる見通しで、これまで2四半期連続で拡大してきた生産動向がいったん停滞する可能性がある。経済産業省では、過去の実績からみても予測指数には下ぶれする傾向があるとして、減産幅はさらに拡大する可能性もあるとみている。


主因は軽自動車の販売不振だ。4月には軽自動車の在庫が過去に例をみないほど積み上がっており、これが生産調整を招いている。輸送機械工業全体では4月の生産、出荷とも減少、在庫は上昇、出荷に対する在庫の割合(在庫率)も跳ね上がっており、5月の生産計画は前月比6%以上の減産となっている。


経済産業省では「輸送機械工業のウエートは高く、これが下がると生産全体にも影響が出かねない」と懸念する。すでに、鉄鋼業には影響が出ており、4月は在庫が上昇、在庫調整に入っている。


また、化学もこの先の生産を押し下げる可能性がある。昨年来プラントの廃棄が進む中、生産能力は低下傾向にあるうえ、定期修理を控えており、この先、生産は抑制されやすい。4月は台所洗剤や化粧品の消費が好調で生産・出荷とも伸びているが、川上業種の原材料供給能力の低下が、先行きの他業種の生産にも影響しないか懸念される。


他方で4月の生産増加に寄与したのは、電子部品・デバイス工業と電気機械。この2業種で生産増加の半分程度が説明できるという。スマホ用液晶素子などアジア向け輸出の好調や、住宅着工の回復を受けて夏場向けのエアコンの作りだめなどが寄与した。


生産の先行きを巡り市場関係者からは「海外需要は、米国・中国・資源国の景気減速が影響しており、日本の生産の3本柱である自動車・一般機械。電機のうち、自動車と一般機械が打撃を受けるだろう」(SMBC日興証券・チーフエコノミスト・牧野潤一氏)として、海外需要の減速が生産の下押し要因になるとの懸念も指摘されている。