ドイツ南部のリゾート地エルマウで開かれたG7サミットは、日本時間の8日夜、首脳宣言を発表して閉幕しました。
首脳宣言では、ウクライナ情勢を巡って停戦合意の完全な履行などがない限り制裁を継続する方針を打ち出しました。そのうえで「必要ならロシアにより大きな代償を払わせるため、さらなる措置をとる用意もある」として、制裁を強化する可能性にも言及しました。
これについてアメリカのオバマ大統領は会見で「G7はウクライナを支援するため強く結束している」と述べ、足並みをそろえることができたと強調しました。
ただ、ロシアと経済的な結びつきが強いドイツのメルケル首相は、制裁の強化は決して望んでいることではないと述べたほか、プーチン大統領の年内の日本訪問を目指す日本もロシアとの対話も重視するなど、アメリカとの温度差も残りました。
また、首脳宣言では中国を名指しすることは避けながらも、東シナ海や南シナ海での緊張に懸念を表明しましたが、中国との経済的な関係も重視するドイツのメルケル首相などは記者会見でこの問題に言及せず、日本とほかの国々との間で中国に対する距離感の違いもうかがえました。