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アングル:物価上昇広がらず、渡辺教授「価格据え置きの呪縛根強い」 | Reuters

今年4月以降に値上がりの目立っている食品価格は、6月に入ってもその基調が継続している。東大日次物価指数を作成した渡辺努教授は、値上がりしている品目が増加していると指摘するが、サービスや耐久財には広がっていないと分析。「価格据え置きの呪縛」が依然として根強く、日銀が目標としている2%の物価上昇には、乗り越えるべきハードルが多いとみている。 


<東大指数上昇、カバー外のサービスなど伸びず>


東大の日次物価指数は、スーパーの店頭価格を集計し、価格水準を毎日算出しているのが特徴だ。この指数は今年3月以降上昇を続け、6月8日時点(1週間平均)ではプラス0.78%と2011年10月以来3年8カ月ぶりの上昇率を記録した。


また、 前年比で3%以上値上がりした品目が、昨年10月時点では、生卵、バターなど3品目にとどまっていたが、今年5月はカレーや乾燥パスタ、インスタントラーメン、水産缶詰など24品目まで拡大している。


ただ、東大日次指数のカバー範囲は、消費者物価指数の調査品目の2割程度。このことから渡辺教授は、食品・日用品の中では値上げの動きに広がりが出てきたが、家賃などのサービスや耐久財など消費者物価指数に占める多数の品目では、値上げの動きはまだまだ広がっておらず「依然として価格据え置きの呪縛が残っている」と語った。


<ゼロ%が最大グループ形成する日本の物価>


こうした「デフレの呪縛」を値上げの品目のばらつきから解明しようと、渡辺教授は今年2月、日興フィナンシャル・インテリジェンス(日興リサーチセンター)などと共同である調査を実施した。


その調査では、日銀の「量的・質的緩和(QQE)」が始まる前の2012年12月と、消費税が引き上げられる直前の2014年3月の2つの時期の消費者物価の動向を分析。消費者物価指数を構成する588品目の価格の前年同月比の散らばり具合を示す頻度分布図を作成した。


その結果、消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)が前年比プラス1.3%まで上昇していた14年3月の時点でも、調査対象品目全体の50%の価格、マイナス0.75%からプラス0.25%の範囲にとどまっていた。


多くの価格は据え置かれていたが、一部品目の値上げだけで物価指数が上昇したことが明らかになった。


<今年4月も大勢変わらず>


渡辺教授は、多くの企業が価格改定を行ったとみられる今年4月にも、同様の調査を実施した。その結果、前年比ゼロ%の品目数の比率が、引き続き最も多数を占めた。


同時に小幅マイナスの品目が減少し、小幅プラスの品目が若干増加した。だが、「分布全体のピーク(最頻値)がゼロ%周辺にある特徴に変化はなく、値付けする企業の予想インフレ率は変化していない」としている。


また、足元における東大日次指数の品目でも、値上げ幅の大きい品目が指数をけん引し、値上げ幅が全体の中央値にある(上から数えて50%)グループの価格は、引き続き前年比横ばいにとどまっている。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150529#1432896539
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150413#1428922370