入手困難になったFRB極秘情報−透明性向上で環境も変化 - Bloomberg
レジーナ・シュレガー氏の名前は、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長(当時)のスケジュール表の常連だった。
挑発的な質問で知られた元通信社記者で、民間情報サービス会社メドレー・グローバル・アドバイザーズ(MGA)の経済アナリスト、シュレガー氏は2010年にイエレン氏の講演の司会を務め、2人は11年に2回面会、12年には一対一で会った。
そして、極秘情報であるはずの12年9月の連邦公開市場委員会(FOMC)の討議内容について、シュレガー氏がリポートで正確無比の詳細を伝えたのは同年10月3日。議事録公表の1日前だった。
米情報公開法(FOIA)に基づきブルームバーグがFRBに公開請求したイエレン氏のスケジュール表で明らかになったもので、シュレガー氏はそれ以降、イエレン氏に会ったことはない。
シュレガー氏のこのリポートを受けて、FRBは極秘情報漏えいの疑いについて内部調査に乗り出し、議員らは深い憤りを表明。連邦当局も捜査を開始した。
シュレガー氏は取材活動について公の調査の対象となっていない。一方、14年2月に議長に就任したイエレン氏は、シュレガー氏に会ったのは情報漏えいが疑われるFOMC会合の何カ月も前で、極秘情報は一切漏らしていないと話す。
米捜査当局は、金融当局者の考えに精通した多くの部内者から、市場を動かすような情報をシュレガー氏がどのように得たかを調べている。下院金融委員会のヘンサーリング委員長(共和)は先週、FRBスタッフとMGAとの間の全てのやり取りを含め、先に召喚状で提出を求めた漏えい疑惑に関する調査記録の提供をFRBに要求した。
しかし、バーナンキ議長(当時)が11年にFRBの政策をめぐる透明性を高め、一般への情報伝達を積極的に進めるようになったことで、FRBの神秘性はやや薄まり、米国の経済政策をめぐるMGAなどの企業の情報収集を取り巻く環境は変化し始めた。
同時に、FRBの動向や議会証言、政府機関の規則策定の審議などを分析する企業も新たに登場してきたと、インテグリティ・リサーチ・アソシエーツの創業者、マイケル・メーヒュー氏は語った。
元FRB当局者の1人は匿名を条件に、外部のアナリストと特に一対一で会うことには以前よりも用心するようになっていると話す。実際、イエレン氏のスケジュール表でも、11−13年にMGAやその競合会社と6回余りあった会合が、議長就任後は皆無であることが示されている。
メーヒュー氏は「政策情報会社は以前ほどホットな情報源ではなくなったのは確かだ」と話す。
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