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中国の東シナ海の新ガス田 政府が写真公表 NHKニュース

東シナ海のガス田開発を巡っては、7年前の2008年に日中両政府が共同開発することで合意し、条約の締結交渉も行われましたが、2010年に起きた沖縄県尖閣諸島沖の中国漁船による衝突事件をきっかけに中断したままとなっています。
こうしたなか、政府は、中国が東シナ海でこれまでに確認していた4基に加えて、2013年6月以降に12基の新たな構造物を建設していることを確認したとして、航空写真と地図を外務省のホームページで公表しました。
これについて、菅官房長官は午後の記者会見で、「東シナ海における日中間の排他的経済水域および大陸棚の境界は未画定であり、日本は、日中中間線をもとに境界画定を行うべきであるという立場だ。いまだ境界が画定されていない状況で、日中中間線の中国側においてとはいえ、中国が一方的に資源開発を進めることは極めて遺憾だ」と述べました。そのうえで、菅官房長官は「中国側による関連の動向が発覚するたびに、そのつど、一方的な開発行為を中止するよう強く求めてきているし、今後もしっかり継続していきたい」と述べました。
また、菅官房長官は、22日に写真などを公表した理由について、「東シナ海における中国側の開発行為が一向に止まらないことや、中国によるさまざまな一方的な現状変更に対する内外の関心の高まりを受け、総合的に勘案し、適切な形で公表できるものについては公表するという判断に至った」と述べました。

中国が東シナ海でガス田の開発に本格的に着手したのは、2003年の8月でした。現場の海域は日中の間で境界線が定まっておらず、日本側が「排他的経済水域」の境界と主張してきた「日中中間線」の近くでした。
ガス田は地下でつながっており、政府は、日本の資源まで奪われかねないとして、中国側に開発の中止を求めました。しかし中国側は、日中の境界線は日本が主張する中間線ではなく、沖縄付近にあるとして応じず、両国の対立関係は次第に先鋭化していきました。
こうしたなか、2008年5月の福田総理大臣と胡錦涛国家主席による日中首脳会談を経て、両政府は境界線の画定という主権が絡む問題は棚上げにしたうえで、ガス田を共同開発することなどで合意しました。
このあと、両政府は共同開発を実行に移すための条約を締結しようと交渉を始めます。一方で、中国側は合意に反して開発を続けました。
そして2010年9月。沖縄県尖閣諸島沖で起きた中国漁船による衝突事件を受けて、中国側は条約交渉を一方的に中断しました。日本側は交渉を再開するよう繰り返し要請しましたが、中国側は日中関係の悪化などを理由に、これを拒否。この間も、中国側が日中の中間線付近で、一方的に、新たなガス田の開発を進めていると指摘されてきました。
2008年の合意で、当時いったんは解決のめどがついたとみられた東シナ海のガス田開発は、この海域の境界線の画定という問題も絡んで、現在も日中間の懸案になっています。