小さくなる業績上振れ余地、米景気にさえ懸念 強気な会社側予想 | Reuters
日本企業の業績上方修正余地が、小さくなってきた。中国だけでなく米国の景気も伸び悩みの兆しがみえ、米金利は一向に上がってこない。ドル/円も足踏みで円安効果の上積み期待がしぼんできた。さらに今期は、会社側の業績予想が以前ほど「保守的」ではない。世界経済の動向次第では、下方修正の可能性も大きくなりそうだ。
<企業と市場、業績予想の差が縮小>
日本企業の業績予想がいつになく「強気」になっている。これまでは強気なアナリスト予想に対し、保守的な会社側予想という構図だったが、そのギャップが縮小。会社側予想がアナリスト予想に追いついてきた。
ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏の集計によると、日経平均の1株利益予想をアナリストと企業で比較した場合、各期のアナリスト予想を100とすると、会社側予想は13年度は90、14年度は92、15年度は96となった。
「アナリスト予想が弱気になったというより、会社側予想が強気になっているようだ。株主へのアピールがあるのかもしれないし、円安予想に差がなくなってきたのかもしれない」と、井出氏は分析する。
会社側の強気予想が、悪いというわけではない。ただ、保守的な会社側予想が上方修正されるという「バッファー」は今期は小さい可能性がある。日経平均.N225は5月の12連騰を経て、6月24日には2万0952円の18年半ぶり高値を付けた。株価も強気な業績予想をかなり織り込んだ状態だ。