破壊されたのはシリア中部の世界遺産、パルミラ遺跡にあり、1世紀に建てられた「バールシャミン神殿」です。シリア政府の文化財保護の責任者によりますと、ISは23日までに、神殿に大量の爆発物を仕掛けて爆発させ、破壊したということです。
シルクロードの交易で栄え、古代ローマ時代の神殿や円形劇場の跡が残されているパルミラは、ISがことし5月に侵攻して以降、その支配下に置かれています。
ISはイスラム教の極端な解釈を基に文化財の破壊を繰り返し、パルミラでもすでに貴重な石像を破壊していましたが、古代ローマ時代の遺跡の一部を破壊したことが確認されたのは初めてで、関係者の懸念が現実になりました。
シリア政府は、パルミラにある博物館の収蔵品は安全な場所に移したとしていますが、今回のような建造物は動かすことができず、今後、貴重な文化遺産へ被害が拡大するおそれが一層高まっています。