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山口組、窮して分裂 苦しい資金集め、弘道会に不満集中:朝日新聞デジタル

 新組織をつくるのは約2千人の組員を抱え、山口組内の最大組織だった山健組(神戸市)や宅見組(大阪市)、俠友会(兵庫県淡路市)など。新組織の組員は約3千人、準構成員らも合わせると約7千人で、これまでの山口組全体の3割にあたる。


 山口組には篠田建市(通称・司忍)組長(73)の出身母体・弘道会名古屋市)をはじめ極心連合会(大阪府東大阪市)など59団体が残る見通しという。

 「山口組内では、金をめぐる不満が募っていた」と捜査関係者は話す。


 1992年に施行された暴力団対策法では、用心棒代の要求や地上げなど組の威力を示した資金集めが禁じられた。さらに2011年10月までに全都道府県が暴力団排除条例を施行。暴力団に利益供与する企業や市民も罰することになり、多くの暴力団が資金集めに苦しむようになった。業界のルール作りが進み、組員の銀行口座の開設、不動産取引、生命保険契約などを認めないなど、暴力団排除の取り組みも広がった。


 そんな中、弘道会は名古屋経済の活況を背景に土木建設、飲食、風俗など幅広い業界に参入。資金力を築いたとされる。


 05年の篠田組長の就任後、山口組は内部の統制を強化。執行部の方針に従わなかったり、月100万円前後の会費の納入が困難になったりした多数の直系組長が処分された。


 最近は執行部のうち3人が弘道会の歴代会長になり、総本部を名古屋に移したり、井上組長を執行部から外したりしようとする動きも出ていた。山口組暴力団幹部の一人は「すべて弘道会の都合のいいように決められ、特に関西の古参組長らの間に反発が強まっていた」と話す。


 警察当局によると新組織は「神戸山口組」の名称が検討されており、山口組と同じ代紋を使う方針。警察当局は、新組織と山口組との対立は避けられないとの見方を強めている。


 ある捜査幹部は「離脱する側は『本来の山口組に戻す』という理屈で仲間を増やそうとしているし、弘道会側は『出て行けば飯が食えなくなる』と切り崩しを図っている。揺らいでいる組もあり、しばらく目が離せない」と話す。