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ハンガリーで足止めされた難民 目指すドイツに到着 NHKニュース

ハンガリーでは、政府が難民らの出国を制限しようとしたことから、首都ブダペストの駅などで混乱が広がり、事態を重く見たドイツとオーストリアは、ハンガリーに足止めされていた難民らの受け入れを決めました。
難民らの大半は受け入れに寛容とされ、経済も好調なドイツを目指していて、現地時間の5日から6日未明にかけて、およそ7000人の難民らが、オーストリアを経由してドイツ南部のミュンヘンの駅などに続々と到着しました。
到着した人たちは、長旅で疲れた様子でしたが、地元の人たちの歓迎を受けると、手を振ったり笑顔を見せたりして、目的地のドイツにようやくたどり着いた喜びを表していました。
難民らはこのあと、ドイツ各地の受け入れ施設に分かれ、難民として認定するかどうかの審査を受けることになります。
ドイツ政府は、今回、ハンガリーで足止めされていた難民らを受け入れたのは、例外的な措置で、難民の受け入れはEU=ヨーロッパ連合の各国で公平に、分担するよう求めています。
ヨーロッパには、新たな難民や移民が続々と押し寄せており、EUは、今月14日に内相会議を開いて、対応を協議することにしています。

ドイツ政府によりますと、ことし1月から先月末までに中東やバルカン諸国などからドイツに流入した難民の数は41万人余りに上り、特に、先月は、ひと月だけで10万人を超える難民が流入しました。
全体のおよそ4分の1に当たる11万人余りは、内戦が続くシリアからの難民だということです。
難民の多くがドイツを目指す背景には、ドイツ政府の難民政策があります。
ドイツはナチス・ドイツ時代にユダヤ人などを迫害し、大勢の難民を出したという苦い記憶を教訓に難民の受け入れに寛容な政策を掲げています。
メルケル首相は、今月、シリアからの難民について、「極めて高い確率で難民として認定する」と述べています。
難民として認定されれば、住居の提供や生活費の支給など、手厚い保護を受けることができるほか、難民審査の結果が出るまでの数か月間も、すべての難民申請者に宿泊場所や食事などが無料で提供されます。
さらに難民の受け入れ施設などで数多くのボランティアが活動するなど、大半の市民も、難民の受け入れに理解を示しています。
ドイツは経済が堅調で、技術者など労働力が不足していることから、ほかのヨーロッパの国と比べ仕事が得やすいとみられていることも、難民が流入する理由の1つとなっています。

ドイツ 難民受け入れを南部の州政府が批判 NHKニュース

ドイツを目指す多くの難民らが、ハンガリーで足止めされ、混乱が広がったことから、ドイツ政府は、例外的な措置として難民らの受け入れを決め、玄関口となっている南部のミュンヘンの駅には、6日も、難民らが続々と到着しました。
ドイツに到着した難民らは、この週末だけで1万人を超え、人々はすでにドイツに入っている親族と抱き合って喜びを表したり、「メルケル首相、ありがとう」と述べて、感謝の思いを示したりしていました。
一方、ミュンヘンがある南部バイエルン州のゼーホーファー首相は、「世界中からヨーロッパに集まる難民のほぼすべてを、ドイツだけで受け入れるのは不可能だ」と述べ、難民らの受け入れを決めたメルケル首相の対応を批判しました。
ドイツにはことし1年間でおよそ80万人の難民が流入するとみられ、その対応でかかる費用は年間100億ユーロ(日本円で1兆3000億円余り)に上るとも報じられていて、難民の流入に歯止めをかけるよう求める声は、今後、さらに強まりそうです。

週末2日間で難民2万人が独に 8000億円拠出へ NHKニュース

ドイツ政府は、中東などからの難民や移民がハンガリーに殺到し混乱が広がったことから、例外的な措置として、ハンガリーで足止めになっていた難民らの受け入れを決めました。
ドイツの玄関口となっている南部のミュンヘンの駅などには難民らが次々と到着し、現地の通信社によりますと、週末の2日間だけでその数は2万人に上ったということです。
こうした事態を受けて、ドイツ政府は緊急の対策会議を開き、難民らを受け入れる国内の自治体が、避難所を設けるための費用などとして日本円で8000億円を拠出する方針を決めました。
一方、国外へ逃れる必要のない「安全な国」のリストを拡大することも決め、人道的な援助が必要な難民と経済的な理由の不法移民とを厳しく区別し、受け入れる数を絞り込むことになりました。
ヨーロッパにやってきた難民の多くは、経済が堅調で受け入れに寛容とされるドイツを目指していて、ことしに入ってから先月末までに40万人以上がドイツに入っています。ドイツ国内では、難民らの流入に歯止めをかけるべきだと政府に批判の声も上がっていて、メルケル首相はヨーロッパ各国に対し、難民の受け入れを公平に分担するよう求めています。

ヨーロッパに向かう難民や移民の中で特に増えているのが、4年にわたって内戦が続くシリアからの難民です。シリアではアサド政権と反政府勢力、それに過激派組織IS=イスラミックステートなどが入り乱れて戦闘が続き、安定の兆しは全く見えていません。
シリアの人たちは戦闘の巻き添えになるおそれがあることや、電気や水道などのインフラが破壊されて、生活が日に日に圧迫されていることから、国外に逃れることを余儀なくされています。こうしたシリア難民はトルコなど周辺国の難民キャンプなどで暮らしていますが、難民が次々と押し寄せるなか、トルコ側の対応も限界に近づいています。
多くの難民は、ふるさとに戻れる見通しが立たないことから、不自由な難民キャンプでの暮らしに見切りをつけ、比較的移動しやすい夏の間に、豊かなヨーロッパを目指すようになりました。
この際、多くの難民が頼りにしているのがスマートフォンです。一足先にドイツなどにたどり着いた親戚や知り合いと頻繁にやり取りし、情報を収集しています。ドイツが難民の受け入れに寛容だという情報や、ハンガリーが難民の流入を制限するため国境にフェンスを建設しているといった情報は直ちに伝わります。難民たちは門が閉まる前にヨーロッパに入ってしまおうと移動を急ぐようになっています。

シリアやイラクからの難民をおよそ4500人受け入れてきたオーストラリア政府は、ヨーロッパに難民が殺到している事態を受けて、受け入れる難民の数を増やす方針です。
オーストラリアのアボット首相は担当の閣僚をスイスのジュネーブに派遣し、UNHCR国連難民高等弁務官事務所などと協議を進めています。
アボット首相は7日、首都キャンベラで記者団に対して、「世界で危機が起きれば力強く、寛大に対応する。それがオーストラリアのやり方だ」と述べ、受け入れる難民の数を増やす方針を強調しました。
一方、隣のニュージーランド政府も7日、シリアからの難民を今後2年半の間に750人受け入れることを明らかにしました。

焦点:難民危機が問うEUの真価、再び深まる「東西の亀裂」 | Reuters

難民危機では、溺死した子どもや列車に殺到する難民の姿などの映像が連日のように伝えられている。難民危機はユーロ圏危機と同じように道徳的問題であり、どちらの場合も試されているのは連帯や団結の原則だ。


難民危機は、EUの無力さや不仲、冷酷な面を浮き彫りにしており、加盟国同士が非難合戦を繰り返し、ポピュリズム政治と反イスラム感情が助長されていることで、欧州統合の理想も傷つけている。


しかし、欧州が新たな難題への共同対応策を見つけるまでには当面、足並みの乱れや非難の応酬は避けられないかもしれない。


難民受け入れでEU各国に公平な分担を求めるドイツのメルケル首相は先週、「世界中がわれわれを見ている」と発言。「もし欧州が難民問題で失敗すれば、欧州と普遍的人権の固い結びつきは壊れ、もはやわれわれが夢見た欧州ではなくなるだろう」と警鐘を鳴らした。


ユーロ危機に対しては慎重姿勢だったメルケル首相だが、難民問題では強い指導力を発揮しようとしている。ただ、これまでのところEU内では、フランスなどからの及び腰な支援しか引き出せておらず、ハンガリーや英国などからは真っ向から否定されている。


有権者の意向を気にする多くの欧州政治家にとっては、住む場所を追われて疲れ果てた多くの外国人(とりわけイスラム教徒)を受け入れることより、不要な移民流入を避けることの方が優先順位は高い。

<東西の亀裂>


難民危機は、約10年前に中東欧10カ国がEUに加盟して以降初めて、東西の亀裂を引き起こした。新たな加盟国のほとんどは、難民受け入れ枠の割り当てに反対しており、一部の国は宗教的な理由をはっきりと掲げている。


一方、オーストリアのファイマン首相は、東側各国が負担を引き受けないのであれば、こうした国への将来的な資金援助もEUは考え直すべきだと反発した。


かつて共産政権による弾圧で大量の難民が西側に逃れたハンガリーチェコスロバキアも現在、難民受け入れ枠の設定には強硬に反対している。


ハンガリーのオルバン首相は以前、難民が欧州の「キリスト教のルーツ」を脅かしていると発言した。スロバキアチェコはそれぞれ、キリスト教徒の難民であれば少数を受け入れる用意があるとしている。


オルバン首相は、メルケル独首相がシリア人難民の大量受け入れに前向きな姿勢を示したことで、危険を顧みずに欧州を目指す難民がさらに増加しており、それによってハンガリー当局が対応に苦慮していると非難する。


元欧州委員(司法・内務問題担当)で、現在は親EU派のシンクタンク「ジャック・ドロール研究所」の所長を務めるアントニオ・ビトリーノ氏は、自身も起案に携わったEUの「ダブリン協定」が、欧州周縁国にとって不公平になっていると認める。同協定では、難民申請はEU内で最初に到着した国で行い、手続きが終わるまで滞在しなければならない。ただ、大半の難民が到着するハンガリーなどは、いまだかつてない規模に膨れ上がっている申請を処理するのは不可能だとしている。

<英離脱に拍車か>


EUの指導者が難民問題に一致団結した対応を示せないでいることは、ユーロ圏再編問題や気候変動問題などの協調行動でも、明るい展望は描きにくいことを予兆している。


米金融大手シティのチーフ国際政治アナリスト、ティナ・フォーダム氏は「EUは一度に複数の問題を抱えている」とした上で、難民危機が欧州の政治リスクの主因になっていると指摘。ロイターのインタビューで同氏は「難民や移民をめぐる不和は、EUの団結崩壊を招き、経済やウクライナなど他の問題での政治的息切れをもたらす可能性がある」と語った。


各国政府がこの問題でつまずき、今後控える選挙に影響が及ぶ可能性もある。反移民を掲げるポピュリスト政党の躍進はすでに、北欧の社会モデルを危険にさらしている。


フォーダム氏はまた、英国のキャメロン首相が進めるEUとの関係見直し交渉にも、難民問題が影響を与える可能性があると指摘。キャメロン首相は2017年末までにEU離脱の是非を問う国民投票を実施するとしているが、「負担を受け入れなかったと受け止められれば、国民投票を前に(EUから)譲歩を引き出す力をキャメロン首相から一段と奪うかもしれない」と述べた。


そのキャメロン首相は4日、「数千人」のシリア難民を受け入れる方針を示した。トルコ海岸で溺死した幼児の写真が欧州全体で大きな波紋を呼び、難民受け入れに消極的だったキャメロン首相の姿勢を変えた形となった。


世論調査会社ユーゴブのピーター・ケルナー社長は、EU各国からの無制限な移民流入に関する国民の不安が、「ブレグジット」(英国のEU離脱)の可能性を高めたと分析している。

Migration crisis will ultimately destroy Schengen zone - ex-IOM chief RT — SophieCo


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