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コラム:米利上げ見送りで日銀に「試練の秋」=岩下真理氏 | Reuters

筆者は昨年末に2015年の最重要案件は米金融政策の正常化と考えていたが、その実現のハードルはまだ高いようだ。世界経済のけん引役である米国でさえも、金融政策の正常化ができない現実が示され、株式市場は不安定な相場から抜け出す機会を失ったように見える。

今月4―5日に開催された20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議は共同声明に「いくつかの先進国で金融引き締めの可能性がより高まっていることに留意する」との表現を盛り込み、FRBの名指しを避けながらも、慎重な対応を促した。


筆者はこれを踏まえて、石橋をたたいて渡ってきたイエレンFRB議長が、国際情勢に配慮し慎重に対応すると見ていた。その通りではあったが、利上げ見送りの理由として、「国際情勢」だけではなく、「短期的なインフレ率の低下圧力の可能性」を挙げた点は重く受け止めている。


短期的なインフレ率の低下圧力がなくなったと判断するためには、最低でも今後2回か3回の物価指標を点検する必要があるだろう。また、原油だけでなく非鉄金属など商品価格全体の下げ止まりが確認できるまでは、利上げは難しいと考えられる。年内にその判断ができる保証はない。


その証左に付属資料で示されたフェデラルファンド(FF)金利の最初の利上げ時期について、2015年中と見ているメンバーが13人と一番多いが、2016年以降と見るメンバーが4人と前回6月時の2人から増えている。


そもそも、利上げを急ぐ必要がないとのハト派の根拠の1つは、低過ぎるインフレ率だった。今回、FF金利予想でマイナスが登場したのはサプライズだったが、これを提示したメンバーは低インフレの長期化を想定しているはずだ(恐らく今年末退任予定のミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁ではないか)。

#FRB #利上げ