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新国立問題 第三者委はJSC理事長と文部科学相の結果責任指摘 NHKニュース

新しい国立競技場の建設費が2520億円に膨れ上がり整備計画が白紙撤回されたことを受けて、文部科学省が設置した第三者委員会は24日、経緯や責任の所在を巡る検証結果を盛り込んだ報告書を取りまとめ、下村文部科学大臣に提出しました。
それによりますと、整備計画の見直しに至った主な要因について、事業主体であるJSC=日本スポーツ振興センターの担当者に実質的な決定権限がなく、文部科学省やJSC理事長の諮問機関の有識者会議で実質的な意思決定が行われたため、意思決定に機動性がなく硬直性を招いたとしています。
さらに、JSCや文部科学省に大規模で複雑な建設工事を経験した者がいなかったにもかかわらず、専門家の充実や国土交通省との十分な連携を図らずに対応したことなどを挙げています。
また、建設費が膨れ上がったことについて、物価上昇などを加えた額がどの程度超えた場合に、建設費や競技場の性能を再検討するのかなどを検討した形跡がなく、上限額がないに等しい状況だったことや、大会が招致されたことで費用はなんとかなるのではないかという期待感が関係者の間にあったことも、上限意識のあいまいさに影響を及ぼしたとも考えられると指摘しています。
そして、大会招致の決定前から建設費を削減する案の検討が関係者の間でされていたとして、招致が決定したおととし9月から年末にかけての期間が、当初のデザインを手がけたザハ・ハディド氏の案をゼロベースで見直す一つのタイミングだったとしています。そのうえで、報告書では、責任の所在について、結果として、難しいプロジェクトに求められる適切な組織体制を整備することができなかったとして、JSC、ひいては組織のトップである、河野理事長にあると言わざるをえないとしたうえで、文部科学省とそのトップである下村大臣らも問題が生じないよう組織体制を整備すべきだったと指摘しています。

今回の問題は、2020年の東京オリンピックパラリンピックのメインスタジアムとなる、新しい国立競技場の建設にかかる費用が、再三にわたって見直されたにもかかわらず、当初の見込みより大幅に膨れ上がり、国民の批判が強まったことが発端でした。
国立競技場の整備計画は、事業主体のJSC=日本スポーツ振興センターと、所管する文部科学省が中心となって策定を進め、費用は、2012年に行われたデザインの国際コンペの募集要項では、1300億円程度とされました。
コンペの結果、イラク出身の女性建築家、ザハ・ハディドさんの作品が選ばれましたが、おととし、設計会社から、デザインを忠実に再現し、各競技団体の要望をすべて盛り込むと、3462億円に上るという試算が出され、文部科学省はJSCに大幅なコスト削減を指示します。
JSCは延べ床面積を縮小するなどして、1625億円まで圧縮し、基本設計案としましたが、ことし1月、建設会社が、建築資材や人件費の高騰などを理由に、費用が3088億円に上り、工期も間に合わないと報告。
文部科学省の指示を受けて、JSCが関係者と調整した結果、ことし6月、費用は2520億円に決まります。
しかし、2520億円という額は、基本設計案よりおよそ900億円多く、過去のオリンピックのメインスタジアムと比べても極めて高かったことなどから批判が噴出し、NHKの世論調査で、計画に納得できないと答えた人が81%に上ったほか、与党内でも、計画の見直しを求める意見が出るなどしました。
そして、ことし7月、安倍総理大臣が、計画を白紙に戻して、ゼロベースで見直す考えを表明。
JSCと文部科学省が中心となってきた態勢を改め、遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣を議長とする関係閣僚会議を発足させて、新たな整備計画の取りまとめ作業を進め、先月、上限を1550億円とすることが決まっています。


#東京五輪