サウジアラビアの当局によりますと、聖地メッカ郊外のミナで24日、ハッジのため訪れていた巡礼者が折り重なるように倒れ、これまでに717人が死亡し、805人がけがをしたということです。
今月22日から始まったハッジは、イスラム教徒の信仰で一生に一度は行うべきだとされている巡礼で、3日目となる24日はミナで石投げの儀式などが行われる日で、一度に大勢の巡礼者が殺到したため倒れたとみられています。
メッカでは今月11日にも、聖モスクで巨大な工事用のクレーンが突然外壁を壊しながら倒れ、集まっていた大勢の巡礼者が下敷きになり、100人以上が死亡する事故が起きていました。
巡礼者が折り重なるように倒れる事故は過去にたびたび起きていて、1990年には1400人以上、2006年には300人以上が死亡しました。
このため、サウジアラビア政府は巡礼を行うための場所を広げるなど対策を取ってきました。
ハッジには、ことしも世界中からおよそ200万人がメッカを訪れていて、サウジアラビア政府は「イスラム教の聖地の守護者」としての威信をかけて警備を強化していました。