この事件は今月3日、アフガニスタン北部のクンドゥズで、国際的なNGO「国境なき医師団」の病院が空爆され、患者やスタッフなど22人が死亡したもので、6日、アフガニスタンに駐留するアメリカ軍のキャンベル司令官が、議会上院の公聴会で証言しました。
この中でキャンベル司令官は、「アフガニスタン軍の要請により、空爆を実施し、病院が誤って攻撃された」と述べ、アメリカ軍の攻撃機による誤爆だったことを公式に認めました。
また、「アフガニスタン側の要請であっても、空爆の許可はアメリカ軍内部の厳格な手続きを経てなされる」と述べ、アメリカ側の責任を認めるとともに、意図的に病院を狙うことはありえないとして、軍内部の手続きのどこに問題があったのか、原因の調査を急ぐ考えを示しました。
一方、来年末までにアフガニスタンからアメリカ軍を撤退させるオバマ政権の計画について、キャンベル司令官は、過激派組織IS=イスラミックステートの台頭など情勢は大きく変わっていると指摘し、計画の見直しが必要だという認識を示しました。
これについて、アメリカのカーター国防長官は声明を出し、「国境なき医師団は世界各地で重要な仕事をしており、罪もない人々の命が失われたことを極めて遺憾に思う」と述べたうえで、原因の究明を急ぎ、その結果を速やかに公表する考えを示しました。