これは、ロシア国営の軍需企業「ロステク」のチェメゾフ社長が9日、UAE=アラブ首長国連邦のドバイで開かれている航空ショーの場で明らかにしたものです。
それによりますと、ロシアはイランとの間で高性能の地対空ミサイルシステム「S300」の改良型を輸出する契約を結んだということです。
「S300」のイランへの輸出を巡っては、ロシア政府はイランの核問題を受けて5年前に輸出を取り消す決定をしましたが、核問題の枠組み合意を受けてことし4月、再び輸出を認める決定を出していました。
また、チェメゾフ社長は、サウジアラビアとの間でも最新鋭の地対空ミサイルシステム「S400」などの輸出に向けて交渉を進めていることを明らかにし、交渉が成立すれば輸出総額は200億ドル(日本円で2兆4600億円余り)に上るとしています。
ロシアは、過激派組織IS=イスラミックステートと戦う、シリアのアサド政権を支援するため、シリアへの空爆に踏み切りましたが、武器の輸出を通じても中東地域での存在感を高めたいねらいがあるものとみられます。
核合意への道― イラン・アメリカ関係の軌跡|高橋和夫の国際政治ブログ
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