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日産 ルノー・仏政府と「経営の自主性維持」で合意 NHKニュース

この問題は、ルノー筆頭株主であるフランス政府が、国内の雇用確保などをねらい、来年春に議決権を増やして経営面への影響力を強めようとしているのに対し、日産は、フランス政府がルノーを通じて自社の経営に介入しないことを求めていたものです。
これについて日産は、3者による詰めの協議の結果、ルノー、フランス政府との間で経営の自主性を維持することで合意したと、12日未明に発表しました。
具体的には、フランス国内における戦略などを除いてフランス政府はルノーに対し行使できる議決権が制限される、ルノーは日産の経営に干渉しない方針を正式に認めるとしています。
日産は、フランス政府がルノーを通じて自社の経営に介入しないことが認められた内容だとしています。また、日産は自社の経営判断に対し、ルノーから不当な干渉を受けた場合は、それを遮断するためにルノーへの出資比率を引き上げる権利を持つことでも合意したということです。
テレビ会議でフランスから記者会見した西川廣人代表取締役は、「日産の独立性を確保しつつ、5年、10年先を見据えた提携関係の発展に向けて、いい合意ができた」と述べ、大きな枠組みを変えることなく、日産とルノーとの提携関係を継続させていく方針を強調しました。

この問題で、ルノーも11日、日産とフランス政府との間で合意した内容について声明を発表しました。
それによりますと、来年4月から、フランス政府のルノーに対する議決権はおよそ28%に拡大するものの、株主総会で行使できる議決権は17.9%から最大20%に制限し、フランス政府のルノーへの影響力の拡大に歯止めをかけるとしています。
ただ、配当に関する議案や、フランス政府から派遣される取締役の選任と解任に関する議案などのほか、ルノーと日産が資本関係を変更したり解消したりする場合には、この制限は適用されないとしています。
さらにルノーは、日産の経営に干渉しないことを契約で明記するとしていて、フランス政府がルノーを通じて日産の経営に影響を及ぼす事態を回避する形となっています。

フランスのサパン財務相マクロン経済相は、11日、連名で「合意を歓迎する」との声明を発表しました。
来年4月からフランス政府のルノーに対する議決権はおよそ28%に拡大しますが、合意では、フランス国内における戦略などを除いて、議決権は17.9%から最大20%に制限されるほか、ルノーは日産の経営に干渉しないことを契約で明記するとしています。
声明では「フランス政府は一定の議案では議決権の制限を受け入れた。フランス政府がルノーの経営を管理することはなく、日産自動車には十分安心してもらえるだろう」などと述べていて、フランス政府がルノーを通じて日産の経営に影響を及ぼすのではないかという懸念を払拭(ふっしょく)したいねらいもうかがえます。

日産自動車は、バブル経済崩壊後の販売不振などで深刻な経営不振に陥ったため、平成11年にフランスのルノーから出資を受けました。
現在では、ルノーが日産に43%余り出資する一方、日産もルノーに15%出資し、お互いに出資し合う形になっています。
しかし、ルノーが持つ日産の株式には議決権があるものの、フランスの法律の規定により、日産が持つルノーの株式には議決権が与えられていません。このため日産は、フランス政府がルノーへの影響力を強めれば、ルノーを通じて自社の経営にも介入されるおそれがあると懸念していました。
そこで日産は、介入を回避するための対策として、必要があれば出資比率を25%以上に引き上げて、日本の法律の規定に基づき、日産に対するルノーの議決権をなくせるよう、ルノーの株式を事前の了解なしに追加取得できるようにすることも求めていました。

フランス政府は、去年、国内の産業や雇用を守るためとして、株主の3分の2以上が反対しないかぎり、株式を2年以上保有する株主に2倍の議決権を与えるという、新たな法律を制定しました。
フランスには政府が株式を保有している企業が多く、国際的にビジネスを展開している大手企業の間では、この法律によって、フランス政府の影響力が拡大することへの懸念が強まりました。
このため、ルノーはことし4月、株主総会で法律の適用を拒否する議案を提案しましたが、フランス政府が総会前にルノー株を買い増し、保有比率を15%から19.74%に引き上げたため、会社側の議案は否決されました。その結果、フランス政府の議決権は、来年春におよそ28%にまで引き上げられる見通しになりました。
フランス政府としては、一定の議決権を持つことで、国内の雇用の維持などをルノー側に求めるねらいがあるものとみられています。
これに対し、フランス政府が経営の重要な意思決定に直接介入してくるのではないかという懸念を強めたルノーと日産は、資本関係の見直しも含めた対抗策を検討し、両社とフランス政府の間で緊張関係が続いていました。