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アングル:米有力投資家、利上げペース不透明で短期債ショート志向 | Reuters

米国の有力債券投資家は、向こう1年間は連邦準備理事会(FRB)の利上げペースをめぐる不透明感が市場を支配すると予想し、短期ゾーンの国債やユーロドル先物をショートにして長期ゾーンを買う考えだ。


FRBが15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを開始することはほぼ市場に織り込まれたが、その後の利上げペースはまだはっきりしていない。多くの投資家は来年中に最低2回は利上げがあると想定しているが、それだけで短期金利の水準は3倍ないしそれ以上になる恐れがある。


世界最大の資産運用会社ブラックロック(BLK.N)(資産額4兆5000億ドル)のファンダメンタル確定利付商品最高投資責任者、リック・リーダー氏は、来年利上げが続くことは「短期債(に対する)長期債の優位をもたらす」と述べ、長期ゾーンはイールドカーブにおいて値動きが相対的に良くなるとの見方を示した。


リーダー氏は、FRBが利上げ開始後の利上げペースが緩やかになることと、バランスシートの縮小はゆっくりと進める方針も明らかにするとみている。そうなれば長期債の供給急増が避けられるので、30年債が恩恵を受けると指摘した。


年内の利上げが確実視されるようになった今月、残存1─3年の国債利回りは少なくとも4年半ぶりとなる高水準に達した。


もっとも年初来で見ると、短期債と長期債のリターンは似たようなものだ。バークレイズの1─3年米国債インデックスのリターンは0.71%、20年超のインデックスは0.68%だった。


リーダー氏も来年はイールドカーブのフラット化を見込む取引が功を奏すると信じている。ただ足元ではそうした取引は実行しておらず、むしろ利上げが既にほとんど織り込まれた短期ゾーンにはやや強気な見方をしている。


エスタン・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジュリアン・ショルニック氏は、来年3回の利上げがあるとみている。その上で2回目以降の利上げの正確なタイミングが分からないため、来年は短期国債への売り圧力が高まると予想し、この第4・四半期に入ってユーロドル先物のショートポジションを拡大したと説明した。


エスタンは9月末時点で、4億4600万ドル強の資産を運用している。


商品先物取引委員会(CFTC)が11日公表した直近のデータでは、ユーロドル先物の投機筋が構築したショートポジションが25万1157枚となった。


ショルニック氏は「今年これまで目にしてきたボラティリティは、FRBが1回利上げをした段階で終息することはない」と話す。


一方で同氏によると、同じく第4・四半期になってウエスタンは、物価上昇率が低い伸びにとどまると想定して長期国債のオーバーウエートポジションをさらに積み増した。短期金利上昇が消費に打撃を与えることも物価抑制につながるという。


イオニア・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、マイケル・テンプル氏も、FRBが最初の利上げを実施した後に次回以降の利上げのタイミングに関する不安が市場に残るとの理由で、傘下のマルチセクター債券ファンドで来年にかけてイールドカーブのフラット化を期待したポジションを組んだと述べた。


同氏の説明では、これらのファンドは残存2─5年の短期国債先物をショートにするとともに、長期国債は中立から強気のポジションを維持している。


イオニアの昨年12月時点の世界全体の運用資産額は2440億ドルだった。