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自称デキる上司は、部下の「何を成し遂げたか」を聞く。真にデキる上司は、部下の大変だった経験から「何を学んだか」を聞く。自称デキる部下は、自分の実績をアピールする。真にデキる部下は、大変だった経験からの気づきや変化を語る。


自称デキるタイプは実績に対する評価を確認して、自分の中で自信を築いていく。真にデキるタイプはほろ苦い経験から気づき変化するので、周りが彼は成長したと認識する。実績話より、失敗談を聞く方が相手からの共感もぜんぜん違いますよね。その違いが積み重なって、周りの人が付いてくるかどうかが違ってくる……という仕組みです。

能力とは、知識やスキル、業界経験といった幅広い仕事のスキルを意味します。通称「ハード・スキル」です。EQは心の知能指数と呼ばれる指標。この方程式では自分をコントロールする、他者と関係を築き動機付けするといった、人間的スキルを意味します。通称「ソフト・スキル」です。


ハード・スキル、ソフト・スキルがそろった人材は優秀ですが、リーダーとなるにはまだ大きな要素が一つ足りません。経営者を探すヘッドハンターは、候補者が修羅場〜困難な状況に出会った経験や大きな失敗の経験を最も重視します。

IT起業家が多い米国、シリコンバレーベンチャーキャピタルも、投資先を選ぶ基準のひとつは修羅場や失敗の経験であるというのは有名な話です。一流のリーダーには、修羅場というほろ苦い体験が必須というのは、真にデキる者たちの常識なのです。


ほろ苦い経験のひとつ、失敗は、マネジメント論の研究でも重要視されています。ところが日本では言葉のネガティブ感が強いせいか、失敗を避けたいという空気感がやたら強い。自称デキる人は特に失敗を避ける傾向にあります。

グローバルな失敗学の多くは、「学び」をテーマにしています。学びに必要な失敗の経験という観点で研究されています。学習理論では学びのプロセスについて数多く研究されていますが、学びのプロセスには大きく分けると2種類あります。

1つ目は、成功のために正解を求めて失敗は避ける。その繰り返しで成功を「再生産」する成功学習プロセスです。テストみたいに決まったコトの正答率をアゲるには効果が高いので、学校の教育ではこちらが多いと思います。自称デキる人もこちらのタイプが多いようです。


ただし学びの効果は薄いです。成功の再生産は自信がつくかもしれませんが、気づきや学びが無いので新しい変化を起こすことができません。ちょっと退屈な学びのプロセスと言えます。


2つ目は、失敗が折り込まれた、試行錯誤のループを回す学び方です。


1. まず前提や常識、成功体験を疑う
2. そして「こうなんじゃないかな?」という仮説を立てる
3. 仮説を実際に検証してみる
4. 出てきた結果(失敗が多い)から気づきを得る


そして1に戻る……というループ型プロセスです。結果が成功しても、しばらくしたらその成功体験を疑って新しいやり方を考えます。前提を疑って試行錯誤する、わくわく感が持続するプロセスと言えます。

夢を達成するとき大切なのは何を手に入れるかではなく、その過程でどのような人間になったかということだ 〜ヘンリー・デイヴィッド・ソロー

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