中国の通貨・人民元は現在、上海の外国為替市場で午前9時半から午後4時半まで取り引きされていますが、中国人民銀行は来年1月4日から終了時間を7時間延長し、午後11時半までとすると発表しました。
一方、人民元の為替レートについては前日の終値を参考に1日の取り引きの目安となる基準値を決める独自の仕組みを採用していますが、取引時間を延長しても、今と同じ午後4時半の値を参考にするとしています。
IMF=国際通貨基金は先月、世界の主要な通貨を組み合わせた「SDR」と言われる特殊な資産に人民元を加えることを決め、人民元がドルや円と並ぶ主要通貨に位置づけられましたが、IMFは人民元の取引時間が短い点が国際化を妨げる要因になっているとも指摘していました。
中国政府としては取引時間を延長することで、人民元の国際化に向けて為替の取り引きの自由化を進めている姿勢をアピールするねらいがあるとみられます。
ただ、ドルや円などの主要な通貨は世界の外国為替市場で24時間いつでも取り引きできる仕組みになっていて、市場関係者からはさらなる規制の緩和を求める声も出ています。
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