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 この“殺陣”というのは、剣での斬り合いや格闘などの立ち回りのことで、わかりやすく言えば『水戸黄門』の終わり15分前ぐらいから始まる、悪代官などの敵キャラVS助さん格さんらご老公一行の格闘シーンのことである。もちろん『暴れん坊将軍』(松平健主演・テレビ朝日系)、『桃太郎侍』(高橋英樹主演・日本テレビほか)、『大江戸捜査網』(松方弘樹主演・テレビ東京系)といった往年の人気時代劇でも、一番のクライマックスシーンが殺陣であり、この殺陣が極めて上手かったり、殺陣に色気があった俳優がスターとなっていったのである。


 などと言うと今の若い世代は、殺陣=ただのアクションシーンだと思うだろうし、似たようなシーンを映画『るろうに剣心』で佐藤健がやってる、と言うかもしれない。しかし、時代劇の殺陣には、敵と対峙したり、敵に囲まれた場合の微妙な相手との間合いが必要で、お互いに見合いながらジリジリと間を詰めていき、一瞬にしてバッサバサと斬りまくるその緩急のつけ方や、背後や横から斬りつけてくる敵のさばき方など、役者や殺陣師、カメラマン、監督等々、制作スタッフ側に相当の経験や実力がなければ、迫力のある殺陣シーンは撮影できないのである。またそのあたりの見せ方が殺陣の最大の魅力とも言えるのだ。


 かつての『水戸黄門』の殺陣シーンでは、里見浩太朗演じる“テクニック”の助さんに、伊吹吾郎演じる“パワー”の格さんといったキャラ分けもされ、観る側にも手に汗を握るものがあったが、後期の『水戸黄門』で助さんを東幹久、格さんを的場浩司が演じた際には、「助さん格さんの殺陣がヘタすぎる」「黄門様の里見浩太朗の殺陣が一番うまい」などとネットなどで酷評されてしまった。

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