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113番目の元素 日本が命名権獲得 NHKニュース

日本に命名権が与えられたのは、理化学研究所が人工的に作り出すことに成功した113番目の元素です。
この元素は、九州大学森田浩介教授を中心とする理化学研究所のグループが、11年前の平成16年7月に埼玉県和光市にある加速器と呼ばれる大型の実験装置を使って、ビスマスという金属に亜鉛を衝突させる方法で人工的に作り出すことに成功し、平成17年と平成24年にも改めて作り出すことに成功しました。
一方、ロシアとアメリカのグループも日本より5か月早く、平成16年2月に113番元素を人工的に作り出したと発表しましたが、データに不明確な部分もあり、元素の命名権がどちらに与えられるか注目されていました。
こうしたなか、化学に関する国際機関は30日、これまでに3回作り出すことに成功した日本の研究成果を認めて、正式に元素として認定し、命名権を日本に与えることを決め、日本側に連絡しました。
日本が元素に名前を付けるのは、これが初めてで、アジアでも初めてのことになります。

物質のもとになる元素は、原子番号1番の水素から94番のプルトニウムまでが自然界に存在していますが、95番以降は人工的に作り出されたもので、これまでに118番まで報告されています。
このうち、理化学研究所が作り出した113番元素と、115番、117番、118番の合わせて4つの元素については、これまで正式には認められず、化学に関する国際機関などによって審査が続けられていました。
この4つの元素について、国際機関の「国際純正・応用化学連合」は30日、いずれも新しい元素として認めることを発表しました。

理化学研究所のグループは、埼玉県和光市にある加速器と呼ばれる大型の実験装置を使って、まず、ビスマスという金属に亜鉛を衝突させました。すると、ごくまれに原子番号83番のビスマス原子核と、原子番号30番の亜鉛原子核が一つになる「核融合反応」が起きます。
元素には原子番号と同じ数だけの「陽子」があるため、このとき、理論上は83番と30番を足して、「陽子」が113個ある原子番号113番の新しい元素が誕生したはずですが、これが本当に「113番元素」なのか、直接確認することができません。
このため理化学研究所のグループでは、元素が壊れる様子を詳しく調べました。その結果、「陽子」が6回にわたって合わせて12個飛び出し、原子番号も12番小さい原子番号101番のメンデレビウムに変わったことが分かり、最初に作り出された元素は、陽子が113個ある「113番」であることが確認されました。
一方、ロシアとアメリカの共同研究グループは、理化学研究所より早く113番元素を作り出したと発表していましたが、理化学研究所と同じような確認作業を行うことができていませんでした。

国際機関が正式に元素として認めると、作り出した研究グループに命名権が与えられ、すべての元素を一覧にした周期表にも新たな名前が書き加えられます。
最近では2012年に、いずれもロシアとアメリカの共同研究チームが作り出した114番と116番の2つの元素に名前が付けられ、114番にはロシアの著名な物理学者「フレロフ」にちなんで「フレロビウム」という名前が、116番はアメリカでの研究拠点となったカリフォルニア州バモアにちなんで「リバモリウム」という名前が、それぞれ付けられています。