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イラク外相、イランとサウジを仲裁する考え表明 | Reuters

イラクのジャファリ外相は6日、イランとサウジアラビアの対立を解決するため仲裁する考えがあることを表明した。イラン国営テレビで、同国のザリフ外相と行った共同記者会見で明らかにした。


ジャファリ外相のコメントは、イランの英語チャンネルで字幕付きで放送された。


一方でザリフ外相は、イランが問題解決に努力している一方でサウジアラビアは地域における緊張を悪化させていると批判。「敵対関係を生み出すのは力を示すことにはならず、弱さの証拠だ」と述べた。

イラン IS意識しサウジアラビアには抑制的に対応 NHKニュース

イスラムスンニ派サウジアラビアが、シーア派の大国イランと外交関係を断絶したことなどを受けて、宗派対立の激化やIS対策への悪影響が懸念されています。
こうしたなか、国内でISの掃討作戦を進めているイラクのジャファリ外相が6日、イランを訪問し、ザリーフ外相と会談しました。両外相は、イスラム社会はISという共通の脅威に対し、団結する必要があるという認識で一致し、ジャファリ外相は「イランとサウジアラビアの良好な関係は地域全体の利益だ」と述べ、緊張緩和に向けた仲介を担う意向を示しました。
これに対し、ザリーフ外相は、サウジアラビアはイランの核開発問題の解決に向けた交渉に反発するなど、地域の緊張緩和に逆らう動きを見せてきたとして、批判しました。
しかし、その一方で、「これからも我慢を続ける」と述べ、イラン政府としては、サウジアラビアに抑制的に対応していく姿勢を強調しました。イランには、中東の混乱に拍車をかけているのはサウジアラビア側だと国際社会に印象づけるねらいもあるとみられ、今月下旬に行われる予定のシリアの和平協議を巡っても、イランがどのような姿勢を示すのか注目されます。

サウジアラビアがイランとの外交関係を断絶したことを受けて、バーレーンスーダンに続いて東アフリカのジブチもイランとの外交関係を断絶しました。
ジブチは、アラブ諸国で作るアラブ連盟の加盟国で、サウジアラビアと同じイスラムスンニ派が多数派を占めます。
イランに対するアラブ諸国の対応としては、このほか、UAE=アラブ首長国連邦クウェートがイランに駐在する大使を召還するなど、地域の緊張が高まっています。

サウジアラビアがイランと外交関係を断絶し緊張が高まるなか、アメリ国務省は6日、ケリー国務長官が、エジプトやヨルダン、そしてバーレーンカタール、UAE=アラブ首長国連邦、そしてクウェートなどアラブ諸国の外相と相次いで電話で会談したと明らかにしました。
一連の電話会談でケリー長官は、中東地域の緊張を緩和し、対話による解決の必要性を促したということです。また、オバマ大統領もイラクのアバディ首相と電話で会談し、両国の緊張が高まるなか、中東地域でイスラム教のスンニ派シーア派の宗派対立につながるような事態を避け、外交による解決が重要だということで一致しました。
一方、この問題がシリアの内戦の終結に向けた和平協議に与える影響について、アメリ国務省のカービー報道官は、悪影響は見られないとして、スイスのジュネーブで今月下旬に予定されている和平協議を開き前進させる必要性を強調しました。

コラム:「中東危機」仕掛けるサウジ、米国は挑発に乗るか | Reuters

サウジは以前から、シリア内戦であれ核開発問題であれ、イランを参加させ、同国政府の中東での役割・影響力を正常化するような外交イニシアチブに反対してきた。


筆者が米当局者から聞いた話では、これまでにもサウジ政府は、イランが出席するのであればボイコットするとほのめかし、シリア情勢に関するジュネーブでの協議からイランを確実に排除することに成功してきた。ホワイトハウス筋によれば、昨年秋には、オバマ米大統領自らサルマン国王に電話し、シリアに関するウィーンでの協議にサウジが参加するよう説得しなければならなかったという。


イランとの外交関係を断つことにより、サウジは、いざとなれば米主導によるこれらの交渉を遅らせ、骨抜きにし、恐らくは完全に断念させる、格好の口実を得たことになる。


サウジ側から見れば、この10年以上にわたって、中東地域の地政学的トレンドはサウジの国益に不利な方向に進んできた。イランが台頭し、米政府はイランの核開発プログラムに関してイラン政府と交渉し、妥協する道を選んだことで、サウジの焦りは募る一方となった。


このように考えていくと、ニムル師の処刑という意図的な挑発の裏にあるサウジ政府のもくろみは、危機を(恐らくは戦争さえも)仕立て上げることにより、中東地域の地政学的な針路を自国に有利なように修正できるという期待にあったのではなかろうか。


その目標は、米国がサウジ側に回らざるを得ないようにして、ゆっくりとではあるが確実にイラン政府との関係を改善していこうという試みを挫折させることだろう。サウジ政府に近い人物はウォールストリート・ジャーナル紙に次のように語っている。「ある時点で米国は(サウジかイランの)どちらかの側を選ばざるを得なくなる。これによって核開発交渉が頓挫する恐れがある」


イラン政府は今回のサウジ側の罠にうっかり陥ってしまったが、米政府はその失敗を真似るべきではない。事実、米国の視点から見れば、混乱を引き起こそうとするサウジの活動は、2015年に米国がイランとのあいだでまとめた核開発をめぐる合意の正しさを裏付けている。この合意の決定的な利点の一つは、オバマ政権当局者からはまだ明言されていないものの、米国のサウジ依存を軽減しやすくする点なのである。


核開発をめぐる行き詰まりを解消し、イランと交渉可能な関係に戻ったことにより、中東地域における米政府の選択肢は増えた。


マイケル・マレン元海軍大将は昨年、核開発合意についてポリティコ誌に次のように書いている。「これによって、米国の影響力がより均衡の取れた形でリバランスされる。我々は、スンニ派優位の国との関係を中心として、中東地域におけるすべての関係を再検証する必要がある。イランとの緊張緩和によって、宗派対立のもとでの我々の取り組みのバランスが改善させる可能性がある」


サウジが意図的に中東危機を招くような方向に事態を進めている様子を考えると(一つにはサウジ政府自身のイランとの敵対関係に米国を引きずり込みたいという動機がある)、米政府としては、中東地域でのサウジの暴発を全面的に支援する義務を負うよりは、サウジとイランのあいだの調整役を演じられるようにしておく方が明らかに有利だ。


とはいえ、両国の対立から距離を置きたいという米政府の希望が正当化できるかどうかが問題だ。オバマ政権の当局者はすでに、今回のサウジ主導の危機が、過激派組織「イスラム国」との戦い及びシリア情勢をめぐる外交に及ぼす影響について懸念を表明している。


ある米当局者はワシントンポスト紙に対し、匿名で、サウジがやろうとしているのは「危険なゲーム」と指摘する。「これらの処刑に対する反応以上に大きな影響」が生じており、イスラム国対策だけでなく、シリア和平プロセスにも悪影響が及んでいるという。


米政府にとっての優先課題が、イスラム国をはじめとするジハーディスト運動を打倒することであるならば、同組織に厳しい姿勢をとっているイランと、過激なジハード主義の推進に関して否定できない役割を演じているサウジのあいだの調整役を米国が演じることは、正しい答えではないかもしれない。