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日銀の補完措置に透けて見える異次元緩和「第2フェーズ」の感|金融市場異論百出|ダイヤモンド・オンライン

 QQEはどうやら「第2フェーズ」に入ってきたようだ。民間企業の経営であれば、2年半以上続けた戦略が当初の期待ほどの結果を出せなかった場合、効果がもっと出てくるまでやみくもに同じ戦略を拡大し続けるということはあり得ないだろう。日銀のQQEもそういう段階に来たと思われる。


 実際のところ、日銀が国債購入をここからさらに数十兆円増加させれば突然、企業経営者は設備投資や賃上げを積極化させ、経済は活性化し、インフレ率は2%に急速に近づいていく、などということが起こり得るだろうか。


 過去最高収益を記録している企業が多いのに、国内の設備投資や賃上げが積極化してこないのは、20年に開催される東京五輪以降の日本経済の成長を楽観できない経営者が多いからである。人口減少などの本質的な問題が先行き懸念されていると、国債をより多く買っても効果は限られる。


 また、このコラムで何度も触れたように、早期にインフレ目標を達成するには、大幅な円安誘導を実施して、モノの価格を急上昇させる必要がある(サービスの価格は、賃金や家賃などが明確に上昇しないと動かない)。


 しかし、それは食品価格を含む生活コストを上昇させる。安倍政権が進めている消費税の軽減税率や携帯電話の通信料金引き下げは、生活コスト上昇抑制が目的だが、その効果を吹き飛ばしてしまう。こういった環境の中で、無理やりインフレ率を一時上昇させても意味はない、と日銀政策委員会の主流派は考えているのだろう。


 従来の「第1フェーズ」は、「目標達成期限を区切って大胆なQQEを行い、人々の期待に働き掛ける」というスタンスだった。彼らはそれがあったからこそ経済が動き始めた、と自負しているため、QQEをやめる気は全くない。しかし、プラグマティック(実利的)にかじを切り始めたようにうかがえる。


 フェーズが変わったことを日銀がはっきり言ってしまうと、円高株安が起こってしまうので、そこは明示されない可能性があるが、追加緩和策は急激な円高などが生じそうなときに限られそうだ。


「話が違う」といら立つ市場関係者もいるだろう。ただ、無理にインフレ率を2%に引き上げて困るのは国民なので、「第2フェーズ」へのシフトは歓迎すべきだろう。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160106#1452078340
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20151219#1450521358
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20151218#1450435188

#アベノミクス #リフレ