内閣府は、新年度予算案の国会での審議にあわせて、毎年この時期に中長期的な経済や財政の試算をまとめています。
関係者によりますと、政府が財政健全化に向けて黒字化を目指している2020年度の「基礎的財政収支」について、内閣府は名目で3%程度の経済成長を前提に6兆5000億円の赤字とする方向で調整に入ったことが明らかになりました。
去年7月の時点で、内閣府は2020年度の「基礎的財政収支」が6兆2000億円の赤字となるという試算を示していました。しかし、今回の試算では、税収の増加や歳出の削減が見込まれるものの、来年4月の消費税率の10%の引き上げに伴って導入される軽減税率の財源としておよそ6000億円を確保する必要があるため、「基礎的財政収支」の赤字幅がおよそ3000億円拡大する見通しです。
2020年度に「基礎的財政収支」を黒字化するという政府の財政健全化目標への道のりはより険しくなる形で、政府は、経済成長による税収の増加や、歳出の抜本的な改革などによって財政健全化に向けた取り組みの一層の強化が求められそうです。