https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

探索、把握、共有…最高のリーダーが実践する3つの学習プロセス | HBR.ORG翻訳リーダーシップ記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

リーダーは自分自身と組織を時代遅れにしないために、絶えず学習に努める必要がある。働くことと学ぶことを同一視する筆者らは、「学ぶ」という行為を「探索、把握、共有」というシンプルな3要素に分けて考えることを勧める。

 ビジネスリーダーはファンジオのように、世の中を見渡して変化のシグナルを察知し、即座に対応できなければならない。私たちが暮らす世界では、心理学者ハワード・ガードナーの言う「サーチライト・インテリジェンス」がますます必要になっている。すなわち、点在する人やアイデアの間に、他者には見えないつながりを見出す能力だ。次に来るものを予測して、新たな未来で成功するためには、十分な情報に基づく視点がより重要になる。

 21世紀において進むべき道の再発見を実現し、レレバンス(物事に対する関連性、妥当性)を維持するには、自身の考え方、学び方、行動、存在を変化に適応させることが求められる。リーダーは、絶えず物事が途上にある状態、言うなれば「常にβ(試用)モード」の環境に慣れなければならない。社会の変化を把握しているリーダーは、変化への受容力と学習能力によってそれを可能としている。どんなスキルであれ、約5年で半減期を迎える時代には、リーダーは組織のレレバンスを確保するために、視点を新たにしていく責任がある。


 ネットワーク化された創造経済への移行を目指す社会で求められるリーダーとは、学習を促進すると同時に、素早く適切な方法で自主的に学ぶ人間だ。目の前に立ちはだかる厄介な諸問題に対処する方法は、それ以外にはない。そして働くことと学ぶことがイコールであるなら、リーダーシップの真髄とは「学習を可能にすること」であると考えられる。

「探索(Seek)」は、新しい物事を発見し、最新の情報を把握しておくことだ。情報であふれかえっている世の中では、有益な情報を選り分けるための適切なフィルターが必要になる。そして、自分の考えや意思決定の基盤となる情報源を、定期的に見直すことが求められる。


 そのために今日重要となるのは、信頼できる賢い人々のネットワークにつながることだ。そうすることで、自分にとって有益な情報を選り分け、盲点を明らかにし、新たな視点を得ることができる。


「把握(Sense)」とは、情報を自分なりに咀嚼して利用することである。熟考や、学習を実践に移す行為も含まれる。このプロセスの基盤となるのはクリティカル・シンキングであり、自分の考え、経験、印象、感覚を総合して情報から意味を見出す。ブログを書いたり、アイデアを書き留めたりすることで、学習を概念化および強化できる。


「共有(Share)」は、リソース、アイデア、経験を自分の属するネットワークの人々と交換し合うこと、そして同僚や仲間と協働することを指す。共有とは貢献のプロセスであり、知識を伝え、他者と協力し、重要な発見やアイデアから集団的に学んでいくことを繰り返す。ソーシャルネットワークでの共有や聴衆への講演では、妥当性のある情報を発信することで敬意と信頼が醸成される。


 世の中には、上記3つの活動に適したさまざまなデジタルツールが出回っている。それらを利用すれば忙しいスケジュールにも合わせられ、自主的かつ自律的に学習する手助けになる。どのツールを使うかは、その状況と個人の好み次第だ。ツールは重要だが、デジタル時代における知識習得は、人的ネットワークの中で信頼、敬意、妥当性を確立する方法を知って初めて達成される。


 探究、把握、共有を通して、組織内の誰もが「学習する有機体」の一部になれる。その有機体は異なる周波数の情報を聞き取り、広い視野で遠くまで見渡し、十分な情報に基づいてより良い決定をするようになる。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160117#1453027136
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160112#1452595070