スイスのジュネーブで先月29日から行われてきた、シリアの内戦の終結を目指す和平協議について、アサド政権側は、反政府勢力側の交渉団が一本化できていないために交渉に入れないと非難する一方で、反政府勢力側は、政権側による空爆の停止などの実現が実質的な交渉に入る条件だと主張し、こう着状態に陥っていました。
仲介役を務める国連のデミストラ特使は、3日夜、記者会見を開き「協議の利害関係者の間で解決されなければならない課題がたくさんある」と述べて、このままでは進展が期待できないとして、協議を今月25日まで3週間中断することを明らかにしました。
そのうえでアサド政権を支援するロシアや対立するサウジアラビアなど、双方を支援する関係国に対して妥協点を見いだすよう求めました。
ただ、協議の最中もシリア国内で双方の激しい戦闘が続くなか、思惑の隔たりを埋めるのは容易ではなく、今後、停戦の実現に向けた交渉に進めるかどうか、一層不透明な情勢となっています。