最近、サウジアラビア王家の内紛がひどくなっている。内紛の中心は、モハメド・ナイーフ皇太子と、モハメド・サルマン副皇太子という、王家の若手世代の筆頭である2人の「モハメド」の権力闘争で、どちらが次の国王になるかをめぐる戦いでもある。現在の継承権は、副皇太子の方が低位だが、副皇太子はサルマン・アブドルアジズ現国王の息子だ。国王は、暗殺など何らかの方法でナイーフ皇太子を外し、自分の息子を皇太子に格上げして、王位を継承させようとしていると指摘されている。米当局筋によると、皇太子の交代は、今夏に行われそうだという。 (`Saudi king `plots to bypass nephew' in handover of crown)
ロシア発の情報によると、ナイーフ皇太子は、国防相でもあるサルマン副皇太子が、軍を動かして自分を暗殺するのでないかと恐れている。諜報機関を握るナイーフは、サルマンら王族たちの電話をさかんに盗聴しているという。内務相でもあるナイーフは、国内の諸部族の族長と連絡をとり、部族を動かして治安を悪化させ、それを副皇太子や国王のせいにすることで、自分が外されることを防ごうとしている。現国王が就任したとたんに起きたイエメンとの戦争や、今年初めのシーア派のニムル師の処刑は、ナイーフの策に沿っている感じだ。 (Russian Publication: Mohammed Bin Salman to Use Miltary Force to Topple Would-Be King Bin Nayef)