レアメタル 日本近海の海底5500mにも存在 NHKニュース
小笠原諸島から沖縄県にかけての日本の近海では、2009年以降、最先端の工業製品の製造に欠かせない、白金やニッケル、コバルトなどのレアメタルと呼ばれる希少な金属を含んだ岩石が広がっている場所が相次いで見つかり、深さ3500メートルの海底まで存在していることが確認されています。
海洋研究開発機構は、深さ7000メートルまで潜ることができる無人探査機「かいこう」を使って、先月、小笠原の南鳥島近くの海域で、3500メートルより深い場所にもレアメタルが存在しているか調査を行いました。
その結果、深さ5500メートルの海底で、コバルトなどを含んだ岩石が広い範囲に存在していることを確認し、岩石の採取にも成功したということです。
これまで確認されていた深さより2000メートル深く、海洋研究開発機構はレアメタルの存在の広がりを示す成果だとしています。
また、これまでの研究で、深い場所から採取される岩石ほど、含まれるレアメタルの密度が高くなる傾向があるということで、海洋研究開発機構では今後、5500メートルの深さで採取された岩石の特徴をさらに詳しく調べることにしています。
海洋研究開発機構の鈴木勝彦ユニットリーダーは、「今回の研究で、これまで手つかずだった3500メートルよりも深いところに、膨大な量のレアメタルを含む岩石が存在していることが分かり、私たちも大変驚いた。これまで資源が少ないと言われていた日本だが、海底の資源をしっかりと活用していく必要があり、そうした活動に貢献していきたい」と話しています。