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男子御三家に共通するのは、人の生き方の本質を突いた建学の精神があり、時代の荒波にもまれても、逆風が吹いても、かたくなにそれを貫き通してきたことだ。やれグローバルだ、ICTだ、アクティブ・ラーニングだと流行に振り回されるような学校は、時代の荒波を生き残れない。


名門校と呼ばれるような学校あるいはそうなるポテンシャルのある学校は、経済誌に躍るような派手な流行語をそのままパンフレットに引用するようなことはしない。必ず自分たちの建学の精神や教育理念に照らし合わせ、自分たちらしく意味づけし、自分たちなりの言葉に翻訳してから使用する。

昨今、「教科の枠にとらわれるのは古い教育で、これからは教科の枠を超えた21世紀型コンピテンシー(能力)ベースの教育が大事だ」という論調が優勢になっている。教科を教えるのではなく、思考力や創造力、分析力、判断力、表現力、コミュニケーション力などの「能力」を鍛える教育を行うほうが実践的だというのである。


しかしいわゆる男子御三家をはじめとする名門校ほど、教科を基本としながら縦横無尽に教科の枠を超え、その中で生徒たちが自らコンピテンシーを涵養できるようにする方法を何十年も前から実践している。生徒たちが能動的に学ぶ、「アクティブ・ラーニング」についても同様だ。


特別にパッケージ化されたキャリア教育や人格教育がなくても、いや、あえてそういうものはもうけずに、どこの学校でも同じように教えている9教科の中に、それらの要素を自然に取り込んでいる。9教科をまさに「リベラル・アーツ(古代から西洋に伝わる自由七科)」の延長として教えている。


これこそ最高のキャリア教育であり、全人教育であり、「生きる力」を育む教育であると私は思う。昨今の教育議論は大風呂敷が広がっていくばかりで収拾の目処が立たない。枝葉の議論に振り回されず、今一度教育の原点に立ち戻ることも大切ではないだろうか。そのヒントが、男子御三家の教育にはある。

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