シリア情勢を巡っては、アメリカやロシア、それに中東各国などの関係国が今月19日までにシリア全土で戦闘を停止させる目標で合意していましたが、期限を過ぎても停戦は実現せず、激しい戦闘が続いています。
こうしたなか、アサド大統領が20日、スペインの新聞エルパイスのインタビューに応じ、「われわれには軍事作戦を停止する用意がある」と述べたうえで、トルコなどの国々が反政府勢力の支援をやめることが条件だと強調しました。
一方、同じ20日、反政府勢力の主要なグループもアサド政権やその後ろ盾のロシアなどが攻撃をやめることなどを条件に、停戦に応じる用意があるとする声明を出しました。
しかしロシアとトルコとの間で緊張が高まるなどしているなか、いずれの条件も整う可能性は低く依然として、停戦が実現する見通しは立っていません。
アサド政権と反政府勢力がこの時期に相次いで実現可能性の低い条件を付けて停戦に応じる考えを表明したのは、目標とされてきた期限までに停戦を実現できなかった責任は相手側にあるように印象づけたいという思惑が双方にあるためとみられます。