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中国の全人代 きょうから始まる NHKニュース

中国では、去年1年間のGDP=国内総生産の伸び率が6.9%と、25年ぶりの低い水準にとどまり、景気の減速が鮮明になっています。こうしたなかで開かれることしの全人代では、2020年までの新たな5か年計画の審査が行われます。
習近平指導部は、2020年のGDPと国民の平均所得を2010年の2倍に引き上げることを目指し、その達成に向けて「今後5年間の経済成長率は年平均6.5%以上が必要だ」としていて、これに沿った目標を正式に打ち出すとみられます。
また、新たな5か年計画では、安い労働力に頼り、資源を浪費した従来の経済発展方式を改めて、技術革新を原動力とし、環境に配慮した成長を図るとともに、現在5000万人を超えている農村の貧困人口をゼロにすることも盛り込む見通しです。
一方、ことし1年間の施政方針を示す政府活動報告では、鉄鋼や石炭をはじめとする過剰な生産能力のほか、地方都市で特に多い不動産の在庫、それに企業や地方政府が抱える過剰な債務といった問題を解消するための構造改革の推進、さらに企業の負担を軽くするための減税などに重点的に取り組む姿勢を強調するとみられます。
全人代では、国防費の大幅な増加を盛り込んだ予算案の審査なども行われ、今月16日の閉会後に李克強首相が記者会見する予定です。

中国の5か年計画は、経済政策の基本方針や社会の発展に向けた重点事業など、向こう5年間の国家の目標をまとめたものです。
計画が定められる前の年に、中国共産党が「5中全会」と呼ばれる重要会議で計画の概要をまとめ、これを基に、よくとしの全人代で政府が提案した計画案を採択し、正式に決定します。最初の5か年計画は1953年に定められ、1980年代に制度化されました。
今回の全人代で採択される予定の新たな計画は、ことしから2020年までの5年間の計画となります。
去年10月に開かれた重要会議で話し合われた新たな計画の概要には、向こう5年間の経済成長について、今の計画の「安定的で比較的早い発展」という表現から、「中高速の成長を維持する」と表現を改めました。そして、景気の減速が鮮明になるなかで注目される経済成長率の目標については、今の計画では年平均7%となっていますが、習近平国家主席は、「今後5年間、年平均で6.5%以上が必要だ」という方針を示していて、今回、打ち出される目標はこれに沿ったものになるとみられます。

中国がことし1月に発表した去年の経済成長率は6.9%と、25年ぶりの低い水準となるなど景気の減速が鮮明となっています。
中国では、これまでの投資主導の経済政策が不動産バブルを生み、地方を中心に多くの在庫を抱えているため新規の不動産投資が低迷していて、鉄鋼やセメントなど関連する企業の生産活動も弱くなっています。
また、去年の貿易総額は、リーマンショックの影響を受けた2009年以降、初めて前の年に比べてマイナスとなり、中国経済をけん引していた輸出が2.8%減少しています。
輸入額も、資源価格が下落した原油のほか、工作機械や自動車部品などの輸入が落ち込み14.1%の大幅な減少となるなど、内需の弱さも懸念されています。
また、新たな経済成長の柱と期待される個人消費は、小売業の売上高は堅調なものの、上海の株式市場は去年6月以降急落するなど、中国経済の先行きへの不透明感も広がっています。
このため、中央銀行の「中国人民銀行」は、去年だけで5度も政策金利を引き下げたほか、今月から金融機関の預金準備率を0.5%引き下げるなど、金融緩和策を繰り返していて景気下支えを行っていますが、景気の減速感の強まりを受け、ことしの全人代財政出動を伴うさらなる経済対策を打ち出すのか注目されています。

中国全人代 成長継続には構造改革進める必要を強調 NHKニュース

この中で、李首相は2020年までの5年間の経済成長率の目標を年平均6.5%以上と、去年までの5年間よりも引き下げる方針を示しました。これについて、李首相は「産業構造の最適化と高度化を加速する」と述べ、構造改革を進める必要があると強調しました。
その一方で、習近平指導部は2020年までにGDP=国内総生産と、国民1人当たりの所得を2010年の2倍にすることを目指していて、これを実現するためには6.5%以上の成長率が必要だと説明しました。
また、ことし1年の経済成長率の目標については7%程度としていた去年より引き下げ、6.5%から7%としました。
主な政策として、構造改革では過剰な生産能力を解消するため、鉄鋼や石炭などの業界で合併や再編などを通じ、経営が悪化しているいわゆる「ゾンビ企業」に適切に対処するほか、経営が非効率だとの指摘がある国有企業の統合や整理も進めるとしています。
その一方で、財政赤字のGDPに占める割合を3%に引き上げるなど、改革の痛みを和らげ景気の安定に配慮する姿勢も示しました。
李首相は、「発展は流れに逆らって船を進めるのと同じで前進しなければ後退する」と述べ、景気の減速が鮮明になるなかでも痛みを伴う構造改革をしなければ目標は達成できないという危機感を示しました。