学校に復帰したのはパキスタン北西部に暮らす12歳の少女、ナビラ・レフマンさんです。ナビラさんが暮らす地域には過激派の拠点があり、アメリカ軍が4年前、テロ対策として行った無人機による攻撃で祖母を亡くしました。さらに、おととしからは政府軍による過激派対策の作戦のため家族と避難生活を余儀なくされ、学校にも通えなくなりました。
そうした状況を知った日本とイスラム社会の交流団体は去年11月、ナビラさんを日本に招き、シンポジウムに参加してもらいました。これをきっかけに日本でナビラさんの学費を工面するための募金活動が行われ、こうした支援をもとにナビラさんは現地の私立学校に入学することになりました。
新学期が始まった14日、ナビラさんは父親に付き添われて登校し、はじめに学力の度合いをはかる試験を受けました。そして教科書を受け取り、教室で同級生たちに囲まれながら少し緊張した面持ちで2年ぶりに授業を受けました。パキスタン北西部には学校に通えない少女が大勢いて、ナビラさんは「勉強ができるようになってとてもうれしい。卒業したら地元で女子教育に携わりたい」と夢を膨らませていました。