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 ボッティチェリは装飾として絵画を追究しましたが、カラヴァッジョにとって、絵は写真の代わり。人間の生活が切り取られた一部であり、人間の本質の一部を表すものでした。

 復活したイエスが、エルサレム近郊の町エマオに向かう弟子の前に現れたという、新約聖書の一場面を描いた作品。左から2人目がイエス、座っている二人が弟子、立っているのは宿の主人夫妻です。


 宗教画でありながら、どこか倹(つま)しい一般家庭の光景のように見えませんか? もっと崇高に描くべきキリストの復活を、庶民的次元で捉えた、日常性がポイントです。ここまで緻密で豊かな表情の人間を描いたのは、カラヴァッジョが画家として初めてだと思います。

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