週刊朝日dot.で数回に分けて掲載して頂いた「ヤマザキマリの「イタリア“変人”巨匠案内」
— ヤマザキマリ Mari Yamazaki (@Thermari) 2016年3月21日
最終回はカラヴァッジョですhttps://t.co/fqqPCUxMCm … pic.twitter.com/WvfcoXyGF8
ボッティチェリは装飾として絵画を追究しましたが、カラヴァッジョにとって、絵は写真の代わり。人間の生活が切り取られた一部であり、人間の本質の一部を表すものでした。
復活したイエスが、エルサレム近郊の町エマオに向かう弟子の前に現れたという、新約聖書の一場面を描いた作品。左から2人目がイエス、座っている二人が弟子、立っているのは宿の主人夫妻です。
宗教画でありながら、どこか倹(つま)しい一般家庭の光景のように見えませんか? もっと崇高に描くべきキリストの復活を、庶民的次元で捉えた、日常性がポイントです。ここまで緻密で豊かな表情の人間を描いたのは、カラヴァッジョが画家として初めてだと思います。