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アマゾン決済採用で成約率7割に改善の凄さ パトリック・ゴティエ 米アマゾン・バイスプレジデントに聞く|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

――事業者にとって、アマゾンログイン&ペイメントを採用するメリットは何でしょうか?


 メリットは大きく3点あります。第一に、注文成約率の改善です。ログインしてから商品をレジで注文するまで、われわれの決済サービスはとてもシンプルで、これが注文成約率の改善につながっています。サービスの導入でビジネスが2倍、3倍に拡大したという事業者からの報告もあります。


 二つ目のメリットは、新規顧客を獲得できるということです。アマゾンの顧客のほとんどは、アマゾンのサイトで頻繁に買い物をしています。そうした顧客は、通常、他のサイトで商品を購入しないのですが、なじみが深いアマゾンの決済サービスが導入されていれば、その事業者のサイトでも買い物するようになり、新規顧客を獲得できるようになるというわけです。


 三つ目は、洗練されたアマゾンのリスク管理能力を活用できるということです。われわれが本業のビジネスのために培ってきたものですが、間接的に事業者にも提供することになり、コストをかけず世界レベルのリスク管理を導入することができます。

――決済サービスが普及すると、アマゾン本体の売り上げが落ちるのではないでしょうか?


 そんなことはありませんよ。アマゾンの歴史は常に「顧客が何を求めているのか」というところから始まり、そのために行動してきました。現在のアマゾンの成長がそのことを示しています。


 かつて商品を手軽に出品できるアマゾン・マーケットプレイスを始めたときも、アマゾンのリテール部門の売り上げが落ちるのではないかと言われました。でも、そんなことは起きませんでした。顧客の選択肢が増え、利便性が向上したことで、アマゾンの企業全体が押し上げられたのです。


 ログイン&ペイメントも同様に、われわれの顧客がより便利になることを目的として作られています。このことで、消費者とアマゾンの関係がより深まるのです。


 顧客との関係はとても重要です。映像配信サービスのプライム・ビデオもいい例で、全体のビジネスを長期的に押し上げています。顧客との関係はとても重要な指標だと考えていて、われわれも常にデータを集め、注意深く見ています。


 アマゾンは、成功している多くの製品やサービスをそろえたいのです。例えば、日本では宅配サービスの「出前館」が、われわれの決済サービスを採用しています。アマゾンでは従来提供していなかったサービスであり、結果的に、われわれの顧客の利便性や実用性が高まります。

――決済サービスの収益化についてはどう考えていますか。


 基本的には手数料収入です。手数料は開示していませんが、一つ言えることは、アマゾンは手数料を競合より下げるといった、価格で勝負することはやりません。


――決済サービスの収益化についてはどう考えていますか。


 基本的には手数料収入です。手数料は開示していませんが、一つ言えることは、アマゾンは手数料を競合より下げるといった、価格で勝負することはやりません。

――決済サービス利用者の情報の取り扱いをどう考えていますか。


 とても重要なポイントです。アマゾンは、消費者が何を買ったのかは分かりません。どれだけの金額を請求するということしか、アマゾンは分からないのです。


 ほかの企業ならば、もっと情報を獲得して広告に使いたいと思うかもしれませんが、そういうことを求めていません。目的はデータでなく、あくまで消費者へのサービスととらえています。


――リテール部門から、もっと情報を出してほしいという要望が出ないのですか。


 答えはノーですね。多くの企業ではそうした状況になるのかもしれませんが、アマゾンの進む道ではありません。


マーケットプレイスを始めたときに、リテール部門のカテゴリーマネジャーが、「自分たちにとって悪いビジネスだ」と言い出したことがありました。ですが、ジェフ・ベゾスCEOの答えは「自分たちにとって良い悪いという視点ではなく、顧客にとって良いと思うビジネスをやらないといけない」。


 それから10年たち、マーケットプレイスがアマゾンにとって悪いビジネスでなかったことが分かりました。顧客の選択肢が増えたことで、顧客のリテール部門への関係性も深まりました。ログイン&ペイメントも同じです。


 顧客が他のサイトで何を買ったのかという情報は、必ずしも必要であると思っていません。私たちはアマゾンで蓄積してきた購買データをすでに持っているので、他社のデータはそれほど必要でないのです。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160324#1458816084
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160312#1457779389
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160310#1457606987