https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

「WIN-WINなど存在しない」がファイナンスの常識 この世の取引は『わらしべ長者』に溢れている|あれか、これか ― 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門|ダイヤモンド・オンライン

このように、ほかのモノとの交換が問題になると、あるモノとほかのモノとの価値の比較が俎上に上る。


これがマルクスが言うところの交換価値だ。モノが交換の対象にならない限り、その価値はあくまでも主観的なものだ。マルクスはそこで使用価値という概念を持ち出している。

問題は、そう、お金が生まれたことからはじまる。

価値の尺度としてのお金だ。

かくして、お金という共通の尺度を通じて、あらゆる取引が「1つの市場」に統合され、市場経済が生まれることになる。

お金の誕生により、人の選択プロセスは、価値と価値との比較から、価格と価格の比較にシフトしてしまった。


そこから価格と価値の乖離がはじまったのである。


当然のことながら、売り手は「以前の価格よりも少しでも高く売ろう」と考えるし、買い手は「いまの価格よりも少しでも安く買おう」と考える。つまり、お互いに基準となる一定の価格を参照したうえで、現実の売買価格を検討するわけだ。

要するに、どちらも「(しめしめ、得をしたぞ)」と考えているわけだが、モノの「本当のあるべき価格」、すなわち価値は1つである以上、少なくともどちらか一方が判断を誤っているということになる。

では、どうすれば適正な価格とそうでない価格を見分けることができるのだろうか?