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ネット=無料という認識が変わり、VIPサービスが出てくるのでは?|理系に学ぶ。|ダイヤモンド・オンライン

川村 おそらく、舛田さんと僕はかなり近い動きをしていると思います。僕も映画を作るとき、脚本家や映画監督や俳優のクリエイティブが発露されているところを見つけながら、「あれとこれをくっつけて、こうやってくれたら、こう面白くなるのではないか」みたいなことを言葉にして伝えています。


舛田 確かに似ていますね。あと、よく社員には「足し算、引き算、掛け算、割り算くらいができると、企画ができるし、事業も考えられる」と言っています。ある事象に何かを足してなんとかなったり、引き算をしてシンプルにしたり、掛け算をしてスケールをアップしたり…ということなんですが、だいたい方式を導き出して数学的な考え方ができれば、どんなものでも一定の形には持っていける。


川村 非常に数学的なクリエイティブですね。


舛田 最初から方程式とか因数分解とかにいくとハードルが上がってしまうけど、四則演算くらいなら、誰もがベースとして共有できる。例えば人も物もアイデアも空気もひっくるめてレイヤーをどんどん足していって、そこから1枚取って、また1枚を他から取ってきて足してみるということを繰り返して、輪郭を作っていく感じですね。


川村 僕の小説の作り方も似ている部分があります。自分の書きたいテーマがあって、その上で大量に取材をして、レイヤーを重ねて、最後に掛け合わせたり、ある部分を丸ごと抜いたりして、書きたいものの輪郭を見つけていくところから始めます。


舛田 極論というか、最大限何かを足してみるとか、最大限振り切らせてみるとか、そういうやり方が大事だと思っています。世界のモンスターサービスたちと戦っていくには通常のやり方では歯が立たない。そうすると、0から1のサービスを生み出すために、10回に1回しか当たらないかもしれないけど、ゲリラ戦を繰り返さないと無理なんです。

舛田 この国はたとえバブルが崩壊しても、社会環境や構造が劇的に変わるということなくここまで来たと思います。でも、それは国内だけで競争していたからで、今のように海外からいろいろなものが入ってきて、日本が開発したものが他国に特許を持っていかれてしまうことが山ほど出てくると、さすがにもう変わらないと難しいですよね。


川村 この対談シリーズでお会いしたドワンゴ川上量生さんが「一番いい勝ち方は不戦勝」という話をしていたのが印象的でした。なるべく敵がいないところを探して戦わないとだめなのに、日本人はよりによって一番敵が多いところに飛び込んでいって戦う癖がある。そもそもの勝ち目やそこに存在するルールを見つめる目が、国内でしか戦ってこなかった日本人は弱いのかもしれません。


舛田 理系の人たちがもしかしたら変わってきているのかなと思うのは、例えば日本だと、今まではスペックで勝負をしてきた。でも、今はもうスペックだけで勝負ができると思っていない。よく相談を受けるのは「どうやったら、体験に落とし込み、付加価値を持たせられるのか。そのために技術はどうあるべきか」ということだったりします。


川村 技術や商品やサービスをどうやって好きになってもらえるか、愛着を持ってもらえるか、定着をさせることができるのかってことですよね。どんな仕事でも、それがあって初めて、共感も感動もあるんだと思います。

川村 しかも国内で成功してから海外に出ると、逆に経験則が邪魔になることもあるはずですよね。イチローが大リーグで成功できたのも、アメリカのベースボールのスタイルに合わせて、バッティングフォームをどんどん変えていったからだと思います。


舛田 やっぱり水のように変幻自在でいなくちゃいけないんだと思いますね。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160419#1461062757
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